亡き祖父は高校の書道の先生でした。「心がざわざわする時は墨を磨りなさい」とよく言っていました。私は一年に一回、この9月に墨を磨ります。宮内庁の歌会始に詠進歌を提出するためです。必ず毛筆で書かなければなりません。(ちなみに今年のお題は「窓」です。)
毎年、苦労するのですが墨を磨る度に祖父のことを思い出します。
最初は「白秋や墨磨る音の軽やかさ」としたのですが、祖父のことを思い出し「清らかさ」にしてみました。でも、もう少し他の表現があったのではと思っています。白秋という季語と墨の黒を対比させてみました。思いがけず多くの票を頂きありがとうございました。
頂いたコメントです。
竹葉さん: 爽やかな秋、正座して墨を磨る映像が浮びます。
能登さん:静謐な水墨画のような景色。素敵です。
紅さん:静寂の中、墨を磨る音。そんなところに身を置いてみたいと思います。
郁子さん:墨を磨る規則正しいリズムに、身の引きしまる思い。季語と良く響きあっています。
千香子さん:白と墨の黒が墨絵を連想し、すがすがしい秋の気配を感じました。
★★★
私の9月は色々と騒動があり、実はまだ墨を磨れていません。なんと、一昨日は足をねん挫し、「ぐきっ」という嫌な音が体の中から聞こえました。墨を磨り心を静めます。麗子
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