575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

透きとほる月のひかりのそそぐ音  郁子

2021年09月30日 | Weblog
作者の郁子さんは月明りの下、眠るのがお好きだそうです。美しい月光。月のひかりのそそぐ音。そのひかりの音が聞こえて来るようです。なんとロマンティックで美しい音でしょうか。実際に音はするはずもないのですが、私たち人間の脳にはその音を感知する力がそなわっています。「透きとほる」も素敵です。
皆様からのコメントです。

殿様:9月の題詠「音」が拡がりを持たせるのでしょう。
素晴らしい句が多く悩みました。
そうした中でこの句に惹かれたのは調べにあるのでしょう。
波打つような分散和音から始まるドビッシーの「月の光」。
俳句にすればまさにこの句。

竹葉さん:「透きとおる」とひらがなが多いのが柔らかい音を連想させてくれます。
能登さん:月のひかりのそそぐ音ですか。まいりました。透 月 音の漢字とそれ以外のひらがなの配置もお洒落です。

      ★★★
桐生悠々さんの本「抵抗の新聞人 桐生悠々」を読ませていただいています。
悠々さんの墓地の石碑には「蟋蟀は鳴き続けたり嵐の夜」という悠々さんの句が刻まれているそうです。悠々さんの没後80年。お孫さんはこんなにも美しい俳句を詠まれています。麗子
コメント
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