575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

暮れかかる林の葉擦れ秋めきぬ  千香子

2022年09月02日 | Weblog

まだまだ厳しい炎天続きではありますが、日の暮れになると今までと少し違った肌感覚を感じることがあります。

林を通り抜ける風が葉を揺らす・・・その擦れ合う音に作者は秋の訪れを感じたのでしょう。静かな環境と繊細な感性ならではの一句と言えそうですね。

 

皆さんからのコメントです。

 晴代さん:風がまず秋の気配を運んできますね。

 亜子さん:「林の葉擦れ」が「秋めく」によく合います。以前、北海道の余市のプラタナスの葉擦れの音を聞きました。それは美しく、しばらく佇んでいたことを思い出しました。

 能登さんもとられました。

 

 

【 秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる 】

 不勉強な私が今もそらで言える数少ない一首(国語の先生に感謝)

 さやかに見えなくとも風で知る秋の気配です

秋風の傍題として、「金風」「爽籟(そうらい)」があります。

  金風というのは、木火土金水の五行説で秋が金に配されることから。

  爽籟(そうらい)の 「籟」は三つの穴のある笛の音ということから秋風の爽やかな響きを意味するそうです。

他にも素敵な秋風の異名を見つけました。

〇色なき風

 秋は一面質素な色合いであり、春や夏の華やかさがないことから、色がない季節=色のない風が吹く季節とされる。

〇雁渡し 

 初秋から仲秋にかけて吹く北風。雁が渡ってくるころの風から。別名「青北風(あおぎた)」ともいい、この風が吹くと海も空も青く澄むよ
うになるという漁師から生まれた言葉

〇黍嵐(きびあらし)

 黍の穂を倒さんばかりに吹く秋の強風をいい、里芋畑では大きな葉っぱが風に揺れて裏返る様子が見られることから 芋嵐 とも言います。

 

強風と言えば。猛烈な台風11号の動きが気になる週末となりそうですね。

大きな被害が出ないことを祈っています。 郁子   

 

 

コメント (2)
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