今月の兼題「朝顔」を提案してくださった 等さんの美しい句です。
毎日、ひと花ひと花咲きのぼる朝顔はとても強くて明るいイメージがありましたが、よく見れば花の時間は短くて
その陰にひっそりと萎れた花がらがありました。その花に落ちる雨粒が真珠のようだと作者は感じたのでしょうか。
泉さんは、
「少し元気がなくなっていたが、雨が降り花も生き返る」と解釈しました。なるほど再び生き生きと蘇る朝顔には真珠の雨粒も似合いそう。
等さんはどのような景を詠んだのでしょうか
朝顔のしぼみし皺に露光る 竹葉
とても似た句のように思いますが
こちらは確実に花の終わりを詠んでいます。大輪の朝顔ではなく、盛りを終えてしぼんだ花がら。。
皺という表現が人間味をおびて「お疲れさま」というねぎらいの言葉とともに露が涙のように思えなくもありません。
作者のやさしさを感じます。 郁子