朝顔句会で見事トップ賞に輝いた須美さんの秀句です。
投句の際、「母が亡くなって遺品の整理をしていると、文箱の茶封筒に朝顔の種が入っていました。植えるつもりでいたのかと思うと切なかったです。」という一文が添えられていました。須美さんのお母さまは植物がお好きだったのでしょう。
お母さまが大切にしていた朝顔の種。茶封筒というところが具体的で、朝顔からお母さまの面影まで浮かぶ優しい句ですね。それにしても一粒の種からあれほど花が咲きたくさんの種が採れるのは本当に不思議です。
皆さんからのコメントです。
等さん:昔は朝顔の種を収穫し、仕舞っておいて翌年に撒きました。今では花の咲いた鉢を買って来るだけになったようです。
能登さん:生前の御姿が見えるようです。
千香子さん:朝顔は私も毎年採種しています。 咲いた花からお母さんを思い出せるのは いいですね。
結宇さん:そろそろ遺品整理でもせねばと思いますね。 案外なところに思わぬものが
残されたりしてますね。 元気なら、咲いているころでしょうか。
亜子さん:茶封筒の中の種がカサカサと触れ合う音が聞こえてくるような句。亡くなった方とこれからの命の芽生えの対比がよい。その昔、母が「種はうらぎらない」と言ったことを思い出しました。
遅足さん、竹葉さんも採られています。
実は私も同じ経験をしています。我が家の庭の朝顔は、生前母が採っていた種を持ち帰り植えたものです。亡くなったあと実家の庭のガラスケースからこぼれるほどたくさんの種が出て来ました。毎朝、朝顔を見ると「お母さん!今日も咲いたね」と語りかけています。夏の終わりからたくさんの花をつけてくれた朝顔の花も、一昨日、最後の花となりました。今は蔓にたくさんの種が大きく膨らんできています。私もまた種を取ります。麗子