575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

夫よ見よ切り過ぎ梅の咲き誇り  竹葉

2023年04月06日 | Weblog

自由題トップとなった竹葉さんのこの句。思わず笑ってしまいました。梅の剪定をめぐり夫婦間でちょっとした口喧嘩になったのでしょう。「切ったからこんなに咲いたのよ!」と勝ち誇った感じが微笑ましいです。「夫よ見よ」にやられました。

皆さんのコメントです。

能登さん:夫への愛を感じます。

郁子さん:梅の木の剪定時、今は亡き夫君に「そりゃ、切りすぎじゃないか」などと言われた思い出もあるのでしょうか。満開の梅を前にひとこと言ってやりたい。だから一緒に見たいのだという思慕が切なく伝わります。

晴代さん:桜伐る馬鹿梅伐らぬ馬鹿といいますよね。

亜子さん:ユーモラスな語り口。「桜切るバカ、梅切らぬバカ」を思い出した。「ほらごらんなさい。切り過ぎてもちゃんと咲いてよかった!」という夫婦の会話が聞こえる。

          ★★★

作者竹葉さんからの句の背景をお聞きしました。

「今回の俳句はまた「夫」を登場させて票を沢山頂き、全く夫に感謝です。夫は梅が咲き出すとウオーキング中によそのお宅のお庭を覗いては、何本咲いてたかを報告してくれ、わたしも今年はいつも一番に咲くと聞いてたお宅の梅を見物してきました。我が家の梅は青軸で、とても大きくなるたちで夫は喜んでいましたが、お隣へ葉っぱが落ちるので、反対を押し切って、一昨年背丈2メートルに太い幹を切って小枝も選定したら、今年は今までになく綺麗に咲きました。早く逝った夫、切った梅、残った木にいっぱい咲いた花、心残りの夫と複雑な私の心境が重なったような句になったと今になって気付きました。自分の気持ちを直接的な言葉ではなく表現出来る、俳句の世界に入れて頂いたことを本当に感謝しています。」

ご主人を亡くされた哀しみはなかなか癒えないと思いますが、毎年梅が咲く度にこの思い出がよみがえりますね。

私も母を亡くした年に植えた牡丹が蕾をつけているのを見つけて嬉しくなっています。朝ドラは「らんまん」。朝から植物の強さ、優しさを感じられ夢中になっています。                麗子

 

 

コメント (2)
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