今日は寄せられたコメントとともに四句ご紹介します。
まずは登山の句
黒岳を先行く君や霧の中 竹葉
麗子さん:先を行くパートナーが登山の斜面の霧の中にいる。信頼しながらその後ろを行く作者の姿が想像できました。黒岳という固有名詞がなぜかぴったり来ると思いました。
郁子:登山には縁遠いのですが、○○岳とあると雲海に包まれた頂を思い浮かべ憧れます。君とは誰でしょうか。物語を感じます。
トンネルを超えて全ては霧の中 麗子
作者が出会った印象的な霧の実景。佐保子さんと亜子さんが採られました。お父さまの納骨に向かわれている車の中での体験だそうです。
亜子さん:「超えて」の意味がよくわからないが、平坦ではないトンネルを超えて行く。臨場感のある霧だと思う。
眼前に蔵王現る霧晴れて 亜子
麗子さん:蔵王は確かに霧が深く、私が訪れた時は霧の中でまったくその姿は見えませんでした。霧が晴れると眼前には蔵王が現れる。ぜひ見てみたい光景でした。
晴代さん:蔵王が見えたときは心も晴れたでしょうね。
霧晴れて蕾うっすりほころびぬ 晴代
うっすりという表現の評価が分かれるところかもしれませんが
細かい水滴をまとい、息を吹き返したような生命の兆しを見せる名もない蕾がアップで浮かび上がるように思いました。
台風10号が雨をもたらし、この熱気を吹き飛ばしてくれないかと不遜なこと思ってしまいましたが反省します。
これ以上被害が広がらないよう祈るばかりです。 郁子
麗子さんのトンネルを抜けたらは川端康成の「雪国」を思い出し、越えてがいいのかどうかをちょっと迷いました。
ほんと雨はもういいですね。新幹線も利用する人大変ですね。早く普通の秋がきてほしいです。