575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

日米開戦と詩歌           愚足

2007年12月03日 | Weblog
 また十二月八日がやってくると言っても何の日か知っている人はだんだん少なくなっている。66年前のこの日、日本は米国に宣戦布告し真珠湾を攻撃し太平洋戦争が始まった。昭和20年8月に終戦を迎えるまでに何百万という人々が死に傷ついた。
 しかし、この開戦の日には日本国民は熱狂し開戦のニュースに沸き立った。
 特に真珠湾攻撃の際、特殊潜航艇に乗り米戦艦に体当たりし玉砕した九人の若き兵士は、軍神と讃えられ戦う日本人の手本、鏡として英雄になった。(写真はその九人の兵士である。・・タイトルをクリックすると拡大します)
 そして 彼らの行為を賞賛する声は全国に高まり、短歌や俳句などでその感動が寄せられたのである。そのなかの数編を紹介したい。

潜く舟 行きて還らずなりしより 思ふ子どもは神成りにけり
                           釈 迢空
ものあらふみづしのをみな妻どもも涙して聞けり刻々のラジオ
                           吉川英治

花ちるや瑞々しきは出羽の国         石田波郷
日の本の武士われや時宗忌           高浜虚子
かしこし勅 昼はふたりきりの箸をおく     萩原井泉水
冬霧にぬかづき祈る勝たせたまへ        水原秋櫻子
かしこみて布子の膝に涙しぬ          富安風生

 これらの俳句は情報局の国策団体づくりで結成された日本俳句作家協会の俳句年鑑に載せられた俳句である。
 当時、俳人も一人の日本人として開戦に散った若者の悲壮美に心うたれたのであろう。しかし再びこのような俳句が詠まれることの無い事を祈りたい。
 
※私の参加する九条の会でも、この開戦の日の夜 この戦いで散った人々の鎮魂と平和を祈ってともし火を掲げて行進する予定である。
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