575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

山眠る新建材に囲まれて    朱露

2011年01月25日 | Weblog

          石膏ボード、プラスチック板。 
          化学繊維を張って出来上がり。
          ノコギリやカンナの音はなし。
          よいとまけおばさん懐かしい。

                  


 
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大寒やいっそう硬きコンクリート   童子

2011年01月24日 | Weblog
只でさえ硬いコンクリートを『いっそう硬き』と
表現したところが素晴らしい。
言えそうで言えない。しかし、言われてみると、
なるほど、と納得する。これこそ俳句。

作者は、アスファルト、としていたそうです。
コンクリートでは字余りになるからでしょうか。
しかし送信する時に、無意識に、コンクリートに。
無意識の選句眼に軍配をあげたいと思います。

                   遅足
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いつまでも寝ている人や寒椿    朱露

2011年01月24日 | Weblog
       月曜の朝九時だが車は動いていない。
       私は五時起床朝食作り黙々と食べる。
       妻は七時起床朝食並べ黙々と食べる。
       二階から見て車十数台全く動かない。

                  


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縫い目なき青空寒に入りにけり   遅足

2011年01月23日 | Weblog
船団・岡野ドクターの診断です。

「縫い目なき」という措辞一発で、
真冬のまったく曇りのないあの青空を
見事に表現されました。
青空のなかを眼がさ迷っている、
どこまでいっても深い青、
そんな眼の運動を一瞬想像してしまいます。
季語は一年でもっとも寒い時季という以上の
何も語っていませんので、
ただただこの空の青さに奉仕する
シンプルな句姿にも好感。

ありがとうございます。
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大寒の火鉢に焼べる秘めし恋     値遇

2011年01月23日 | Weblog
秘めた恋文を火の上にそっと置く。
薄く煙が立って、ぱあっと燃え上がる。
そしてあっという間に灰に。
ゆっくりと火箸で掻き混ぜていく・・・

紙のかたちも、その上に書かれた言葉も、
この世から消えていく。

恋は一瞬の火のように燃え上がり、束の間に冷めてゆく。
しかし、なかには、なかなか消えない恋もある。
きっと事情のある恋だったのでしょう。

火鉢は必需品でした。
わが家でも、もう姿を見なくなって久しい。
いまはインテリアの一つになっているのかな。
そう読めば、この句は、いかにも現代的かも。  

                 遅足


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冬座敷打ちかけの碁と座布団と    朱露

2011年01月23日 | Weblog
            レドモンド九段と依田九段の天元戦。
            百手ばかりで何だか分からなくなる。
            プロでも頭を冷やす場面に違いない。
            私は冷やしっ放しで一週間は経った。

                     


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大寒のメトロノームの音響く  麗子

2011年01月22日 | Weblog
20歳になってピアノを始めた狗子さん。
幼い頃から始めないと、指が早く動かないことを悟って断念したとか。
私もギターを定年後に始めましたが、
指は全然言うことを聞きません。

寒も極まった深閑した部屋にメトロノームの音だけが響く。
正確に時間に切れ目を入れていく音・・・

必ずしも現実の音ではなくても良い。
むしろイメージとしての音の方が深く響いている。

作者もイメージとしての音を伝えたかったのでしょう。

時は過ぎ、いつしか立春へ。    遅足
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冬の庭孫と争うホールインワン     朱露

2011年01月22日 | Weblog
           何故「孫句」はみっともないのだろうか。
           人生を降りた者の気楽な堕落風景だから。
           堕落者に俳句を詠む資格は認められない。
           私は人生を降りていないので作っていい。

                     


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シソ科のシモバシラ              草女

2011年01月21日 | Weblog
 草女1月9日か10日のNHKのニュースで川島の河川環境楽園でシモバシラに霜柱ができたと報道されていた。その状態のシモバシラを見たいとかねがね思っていた。川島までは遠いが、東山植物園にシモバシラの花を見に行ったことがある。それで休み明けの12日カメラを持って出かけた。

 シモバシラはシソ科のシモバシラ属で山地の木陰に生える多年草。初冬、枯れ始めた茎の根もとから霜柱のような氷柱が立つことからシモバシラをの名前が付いた。

 外気が氷点下になり、地上部が枯れても地中はまだ暖かく、根は生きている。水を吸い上げる力はまだまだ活発で水を吸い上げて、茎の中の導管へ送る。導管の中を上がってきた水は茎が枯れているから外へ沁みだし、外気にふれて凍り始める。茎の破れが大きくなり、凍った部分も成長する。こんなメカニズムを持っている草はシモバシラだけでななく、シソ科のアキチョウジ、カメバヒキオコシ、テンニンソウ等、キク科のアザミ類やハグマ類なども氷柱を作るそうだ。

 東山植物園のシモバシラは合掌造りの家から少し北へ行ったところにある。上手い具合にシモバシラを付けていて満足した。私ぐらいかもう少し先輩と思われるカメラマンが結構いて、ここのシモバシラは小さいとか、株が少ないとか文句を言っている。
人が満足しているのに・・・

 後日、CBCのニュースで河川環境楽園のシモバシラを放送していた。なんと1200株あって土手一面にシモバシラの霜柱を映していた。これを見ている人は東山植物園のシモバシラではものたらないだろう。

 霜柱が強調されるが花もなかなか良い。シソの花を大きく
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雪の夜の雪のかおりとすれちがふ  遅足

2011年01月21日 | Weblog
船団・星野ドクターの診断です。

雪の夜に雪のかおり(歴史的仮名遣いでは「かをり」)がする。
当たり前のことなのですが、すれちがう、の惜辞で
物語性が生まれました。
かおりの擬人化は初めて見ました。
けれどもそれがさりげなく静かな句に
仕立てられているところがいいですね。

ありがとうございます。

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大寒のゴルフ百八叩きけり  朱露

2011年01月21日 | Weblog
ゴルフは、経済成長とともに、サラリーマンの間に
急速に普及していきました。
日本列島各地の山林がゴルフ場に変貌、
社用ゴルフ、接待ゴルフが盛んでした。
この頃の日本人は勤勉、ゴルフも一生懸命でした。

あれから40年ほどが経って
珍しかった女性ゴルファーも増えました。
ゴルフは国民的スポーツとして、すっかり定着。

大寒の日にも勤勉なゴルファーは
グリーンでボールを追っかけています。

作者は、こうしたグルフ愛を、
百八の煩悩のひとつと数えているようです。
多分、作者もその一人、熱烈な愛好者。
しかし最近は、108も叩いてしまうと嘆いているようです。

私が、108で回れたら、お赤飯を焚いて
祝いたいのですが・・・         遅足

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寒烏高圧線で日の出待つ   朱露

2011年01月21日 | Weblog
         目の前の鉄塔には一羽もいないが、
         五百米南のには一列に並んでいる。
         烏の事情を推察した所で仕方ない。
         自分が毎朝眺める事情でも考えろ。

                  



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大寒の夜明け黒猫軒の下    朱露

2011年01月20日 | Weblog
         例によって六時過ぎ東の山を見る。
         光を背景にした尾根が黒く流れる。
         快晴無風が約束された一月二十日。
         眼を下にすると闇の中に動く黒猫。

                 


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初句会   麗

2011年01月20日 | Weblog
大寒波到来の中、お昼間の開催となった今年の初句会。
所変わって迷った方、申し訳ありませんでした。
でも久しぶりに朱露さん、能登さんも出席して下さり嬉しい一時でした。

大寒の厳しい寒さをどこで感じるか。ゴルフ場、音楽室、居間、街中、銭湯への道すがら、神社、新薬師寺、禅寺、海、風呂場などなど。

初句会のトップ賞は

安藤さんの

     大寒の十二神将眉上がる

一同大絶賛。新薬師寺の十二神将の眉も厳しい寒さできりりと上がったように見えますが、
安藤さんの眉は下がったかな?これからは安藤神将とお呼びしましょう(笑)

寒鰤は刺身か焼きか?母と娘の秘密は何か?どんど焼きをやるかやらないか?懐かしのかるたやべい独楽など育った環境や地方で違いのあることもわかりました。
いろんな文化に触れられる575句会。
今年もにぎやかに楽しく開催しましょう。

来月は「薄氷」(うすらい)です。薄氷を踏む思いで臨みます。今年もどうぞよろしくお願いします。
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1月句会の最終結果です。 遅足

2011年01月19日 | Weblog
1月の句会、時間を昼、会場を伏見に変更しました。
9名の出席で賑やかな会となりました。
立雄さんの選句が届きました。


題詠『大寒』

①大寒のゴルフ百八叩きけり(朱露)値遇・遅足・立雄
②大寒やメトロノームの音響く(麗子)狗子
③大寒の火鉢に焼べる秘めし恋(値遇)愚足・能登・郁子
④大寒やいっそう硬きコンクリート(童子)値遇・朱露・晴代・麗子
⑤大寒の日暮石焼芋の声(静荷)亜子・立雄
⑥大寒やかくも背丈が縮むとは(立雄)愚足・値遇・童子・亜子
⑦大寒や銭湯に行く下駄の音(亜子)童子
⑧大寒の折目就職情報誌(遅足)鳥野・静荷・狗子・能登
⑨大寒や御幣白白境内社(晴代)遅足
⑩大寒の十二神将眉上がる(狗子)愚足・結宇・鳥野・朱露・晴代・遅足・亜子・静荷・能登・麗子・郁子・立雄
⑪大寒や経読む息の揃いたる(能登)結宇・童子・晴代・狗子・麗子・郁子
⑫大寒や航跡長く雲向こう(結宇)朱露
⑬父思う大寒の風呂長きこと(愚足)結宇・鳥野
⑭大寒や震え掲げる受験絵馬(郁子)静荷

 大寒やいっそう硬きコンクリート
   作者としては、アスファルトを誤まって、
   コンクリートと送ってしまいました、と連絡がありました。
   コンクリートでの選句でしたので、そのまま掲載させていただきます。


自由題

①炎にも口あり笑ふどんど焼き(亜子)結宇・童子・朱露・晴代・遅足・静荷・立雄
②春隣一足早く伊達直人(静荷)値遇・麗子
③寒鰤へレモンの光滴らす(遅足)朱露・晴代・静荷・麗子・郁子・立雄
④火の粉浴び野良駆け回るどんどの子(立雄)郁子
⑤かるた取り諸国祭礼おぼえけり(晴代)狗子
⑥二人して飽かず眺むる朝の雪(能登)愚足・値遇・童子・遅足・亜子
⑦年開けて子の帰り行く破れ(ヤレ)案山子(結宇)能登
⑧プール歩行万歩を超えて日脚伸ぶ(愚足)能登
⑨話すこと話さないこと冬の鯉(童子)結宇・鳥野・朱露・狗子・麗子・郁子
⑩雪明り長くなりたる父の眉(値遇)愚足・鳥野・静荷・立雄
⑪冴え返る遠き雪山近くなり(麗子)
⑫三年の女子とべい独楽ぶつけあう(朱露)
⑬寒鯉のゆるりと向きを変えにけり(狗子)愚足・結宇・鳥野・童子・晴代・亜子・能登
⑭母と娘(こ)の秘密厨であくをとる(郁子)値遇・遅足・亜子・狗子

番外   初句会揃いて昼の顔となる

次回は2月16日(水)午後1時 東寿司
題詠は『薄氷』です。

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