575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

赤錆の鉄路の先は薄原   狗子

2015年11月15日 | Weblog
道路、鉄路、海路、空路。さまざまな路があります。
鉄路が日本に登場したのは、明治時代。
汽笛一斉新橋を、はやわが汽車は離れたり・・・、
鉄路はあっという間に全国に広がって、戦前の特急つばめ。
戦後は、新幹線ひかりへと進化を遂げてきました。
しかし自動車というライバルの出現。高速道路網の充実。
ローカル線は次々に廃線の運命に・・・

この句のような風景は列島のあちこちに。
営々と耕されていた田も、野にかえっています。
薄原の先には、どんな日本が待っているのでしょうか?

          のち

今は曇っていますが、これから晴れてくるそうです。
七五三参りは賑わうことでしょうね。 遅足


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けものの眼光り月下の芒原   亜子

2015年11月14日 | Weblog
中島敦の山月記を思い出しました。
野生の眼が光る、と麗子さん。
日本画の構図が浮かんできました。
心得はありませんが。苦笑、と智恵さん。

作者の子供の頃の記憶がもとになっているそうです。
「けもの」というひらがな表記も、可愛らしい動物を連想させます。
鼬でしょうか、狐でしょうか。
しかし、けものの眼ですから、緊張感が伝わってきます。
言葉による一幅の絵。宮沢賢治か新見南吉か・・・?
どんな物語が始まるのかは、読者の想像力次第です。

          

我が家の小さな庭では、菊が満開。
白、黄と目を和ませてくれます。

  歩を止めて野菊のごとき君なりき  遅足



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11月句会近づく   遅足

2015年11月13日 | Weblog
今月の題詠は「七五三」です。冬の季語です。

昔は、三歳になると、男女とも髪をのばしはじめる「髪置き」
五歳の男子が初めて袴をつける「袴着(はかまぎ)」
七歳の女子が帯を使い始める「帯解き」と、
それぞれの齢に成長を祝う儀式がありました。

これが、明治時代になって、現代のような七五三として
着飾った親子が近所の神社にお参りに行く行事へと。
かっては15日でしたが、今では休日など都合の良い日に。
今度の日曜日は15日ですが、お天気が良くなさそうですね。

わが子の七五三、どこへお参りに行ったのか?
記憶にあるのは「千歳飴」の味。これも季語です。

          

応答の一日一句
  
  歯の疼く冬の夜探す鎮痛剤   孝

  息ひとつ残して逝きぬ冬の夜  亜子

一日一句です。今日で丸一年。
これが最後の句です。
毎日、俳句をつくるのは大変なことです。
亜子さん、孝さん、ありがとうございました。




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再会   麗

2015年11月12日 | Weblog
先週、大学時代の友人と一緒に行った明治村。最近はドラマ、映画のロケ地として人気となり、「花子とアンのロケ地巡り」とか「ごちそうさんロケ地巡り」といった観光ルートが紹介されていました。

北里研究所前で「あっ、ここは百蓮が花子と走ったところだね!」とか、「ここは杏ちゃんが降りた市電だ!」ととても気に入ってくれました。
北里研究所の中に入ってみると、やはり大村先生のノーベル賞をたたえていました。

阿川佐和子さんが館長さんになった明治村。ここも中国の方がたくさん観光に訪れていました。
願わくば、名古屋飯を食べられるレストランがあればいいのだけれど。

小春日和の暖かい秋の夕暮れを友人といろんなことを話しながら歩きました。

仕事のこと、病気のこと、介護のこと、そして大学時代のたわいもない思い出。
私が仕事を始めたばかりのころ、忙しくて洗濯する暇がないからと、毎日ストッキングをコンビニで買っていたという本人はすっかり忘れている恥ずかしいお話もしっかり彼女の脳にインプットされていました。
思い出を語るには晩秋が一番似合いますね。



        晩秋の赤き夕日に照らされて   麗

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風邪  

2015年11月11日 | Weblog
県営名古屋空港からまもなくMRJの初飛行。朝から空を眺めています。フライトの無事を祈ります。
では今日の一日一句。


    腹いっぱい風邪の神様食いしん坊   孝


    旅に出て風邪道連れに帰りけり  亜子


    風邪薬しのばせ出張鞄かな   麗
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濁り酒

2015年11月10日 | Weblog
雨あがりの晴天です。街路樹の紅葉が進みました。では、今日の一日一句。


    抗わず濁世を嘆く濁り酒    孝


    重き荷を置いて旅路の濁り酒   亜子


    仏前に祖父の好物濁り酒   麗
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きのこ

2015年11月09日 | Weblog
今日の一日一句

  
     茄子トマトピーマンシメジスパゲッティ  孝


     大小のきのこ裂かれてパスタかな    亜子


     長野からきのこの包み届きけり    麗
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芋の秋

2015年11月08日 | Weblog
 遅足さんに代わって勝手に一日一句。


   上庄のお国訛りや芋の秋  孝
 

   尻餅の泥くろぐろと芋の秋  亜子

   
   手作りのスイートポテト芋の秋   麗
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漢(おとこ)消ゆ箱根千石芒原  静荷

2015年11月07日 | Weblog
地名を生かした句です。中七下五のリズムの心地良さ。
浪曲の一節のようです。

仙石原(せんごくはら)は、箱根町にあります。
約18万平方メートルに自生するススキの原で有名。
毎年3月には、芒原の維持のために山焼きが行われるそうです。

名所や旧跡、地名を歌に詠むことは昔から行われています。
この地方では、三河の八橋(やつはし)が有名。

  から衣きつつなれにしつましあればはるばる来ぬる旅をしぞ思ふ

この歌は伊勢物語の一節、八橋に咲くカキツバタにちなんで詠まれた歌です。
尾張の鳴海も歌枕です。芭蕉が句を残しています。

  星崎の闇を見よとや啼く千鳥

         

応答の一日一句

  ポケットの本に挾みし初紅葉   孝

  病む窓を額縁いして初紅葉    亜子

今日から5日ほど旅に出ます。

  セーターを着て浮雲の旅に出る  遅足

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尾花やら団子兎に我は酒   立雄

2015年11月06日 | Weblog
これは、後の月を詠んだものでしょうか。
今年は10月25日でした。

月の兎との交歓を詠んだ句、子ども心に溢れています。
題詠の薄に重点を置いて

  われに酒うさぎに団子花薄

と、することも可能です。

薄はお月見には欠かせないアイテム。
供えたススキを家の軒に吊るしておくと
一年間病気をしない、という言い伝えもあるそうです。

最近は、お月見よりハローウィンが盛んです。
変身願望をかなえてくれる方が楽しいのでしょうね。
若者もを夢中にさせているようです。(遅足)

                   

応答の一日一句

  熱燗や友の大声窘(たしな)める  孝

  熱燗や女将の語尾のやはらかく   亜子

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明治村日和    麗

2015年11月05日 | Weblog
大学時代の友人が本日、島根県から来名。
どこに行きたいかと聞いたら「明治村」とのこと。
午後から久しぶりに明治村に行きます。絶好の行楽日和。紅葉も始まっているかな?

26歳の時、独身女子4人で島根県の出雲大社に良縁祈願に行ったことを懐かしく思い出します。
彼女とは出雲大社の大きなしめ縄の前で待ち合わせ。その時の真剣な私たちの様子を中学教師の彼女は、今もおもしろおかしく生徒たちに話すのだそうです。

御利益あっておかげさまでその後、4人が次々と結婚。にぎやかな関西女子の声に出雲の神様も驚かれたかも??
初めて食べた出雲そば。おいしかったな~。
松江城も国宝に認定されたことですし、いつの日かまた4人でお礼参りに行こうと話しています。

      出雲より友来たりて秋日和  麗



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負われておいでおいでのすすきかな   すみ

2015年11月04日 | Weblog
すすきの穂の揺れは手招きしているように見えます、と郁子さん。
これは、頭に”背”が抜けてるのでしょうか?
このままで1音足りないようで・・・。
でも、雰囲気いいので、と結宇さん。

「負われて」は「おぶわれて」と読むそうです。
背負われた幼児が手にもった芒の穂を揺らしています。
それが「おいでおいで」をしているようです。
何を呼んでいるのでしょうね?

最近は赤ちゃんを前に抱えるお母さんばかり。
背負っている姿は見たことがありません。
昔の女性は子どもを背負って家事をしていました。
今は子供の数も少なく、家事労働が軽減された結果でしょうか。

            

応答の一日一句

  秋の夜妻つつましく誕生日   孝

  誕生日とて秋の夜の二人酒   亜子

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花札に薄のありや勝負時   智恵

2015年11月03日 | Weblog
花札の中のすすきは想像が及びませんでした。
びっくり、と郁子さん。

花札遊び。薄はあったかな?よし!勝負!
そんな風景が浮かんできます。

花札は、外国のカルタを日本風にアレンジしたもの。
一年十二カ月。日本の四季の植物が描かれています。
一月から松・梅・桜・藤・菖蒲 (あやめ) ・牡丹 (ぼたん) ・
萩 (はぎ) ・薄 (すすき) ・菊・紅葉・柳(雨)・桐。
十二月の桐は「ピンキリ」の「キリ」からとか。
しかし、十一月は「柳(やなぎ)」です。
雨の中、小野道風が柳に飛びつく蛙を見ている図。
なぜ十一月なのか?不思議です・・・

花札の薄は季語なのか?意見の分かれるところです。
厳密には季語ではありませんが、
私はこの会の題詠ではOKと考えています。(遅足)

         

応答の一日一句

  若者の教養嘆く文化の日     孝

  日本語の本平積みに文化の日   亜子


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すすき道五島の海の青段段   晴代

2015年11月02日 | Weblog
五島列島には行ったことがありませんが、
きっと、こんな感じなのでしょう。
青段段が面白いです!、と麗子さん。
行ったことがないので残念ですが、
海の青をの対比の景色が浮かびます、と結宇さん。

旅行吟ですね。
あちらの海は、幾色もの青が重なって、
そのグラデーションがとても美しい。
作者はすすきの道を丘に登りながら、時折、
海をふりかえって、その美しさを堪能しています。
だんだん高さを増すにしたがって、海の青も段々に。

     ひさしぶりの

応答の一日一句

  とろろ汁妻の小言を聞き流し    孝

  気のおけぬ仲間の句座やとろろ汁  亜子
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人間に振り返ること夕紅葉  遅足

2015年11月01日 | Weblog
秋の京都・永観堂に。紅葉にはまだまだでした。
このお寺のご本尊は「みかえり阿弥陀如来」
正面だけではなく、右横からも参拝。
すると、こちらを振り返ったお姿に。珍しい仏さまです。

庭の一角に歌碑がありました。

  秋を三人椎の実なげし鯉やいづこ池の朝かぜ手と手つめたき

与謝野晶子が、鉄幹と2人、春に訪れた際に詠んだ歌。
山川登美子と3人で、紅葉を楽しんだ一年前を振り返っています。
私も、母の生前、3人でここを訪れたことを思いだしました。
もう10年以上前でしょうか・・・

           

応答の一日一句

  「おはよう」に一言添えて秋寒し  孝

  解体と噂の屋敷秋寒し       亜子
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