10:高名美人六家撰 辰己路考
六家撰とは六歌仙になぞらえたものであろう。富本豊雛、島屋おひさ、扇屋花扇、日の出屋後家、難波屋おきたを加えて揃い物にした。江戸で辰巳即ち東南の地は深川で、深川芸者を辰巳芸者ともいった。吉原の遊女とは異なった、粋で鉄火な江戸芸者の面目がうかがえる。このシリーズで町娘、遊女、芸者、若い美人の後家とそれぞれに描き分けて、情趣深いものにしている。
※喜多川歌麿
江戸時代の日本で活躍した浮世絵師の代表的な一人。
姓は北川、後に喜多川、幼名は市太郎、のち、勇助(または勇記)と改め、名は信美。
初号は豊章といい、歌麻呂、哥麿とも号す。
通常は「うたまろ」と読むが、秘画本には「うたまる」としているものもある。
俳諧では石要、木燕、燕岱斎、狂歌名は筆の綾丸、紫屋と号して、蔦屋重三郎とともに吉原連に属した。
国際的にもよく知られる浮世絵師として、葛飾北斎と並び称される。
繊細で優麗な描線を特徴とし、さまざまな姿態、表情の女性美を追求した美人画の大家である。
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