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12:当時全盛美人揃 花妻
誰からの何のたよりかしらないが、その文をねじって昂然とした面持の花妻、ふと何かにふり返り思わず浮かせた片膝、薄墨の着物の下から淡紅の長襦袢の柄模様が透けて、黄の背色の中で、白く浮いた顔や腕と、これに下着の色が映えてポーズの見事さとともに画面いっぱいの色気が漂っている。この揃い物の中でもことに優れた作品である。
※喜多川歌麿
江戸時代の日本で活躍した浮世絵師の代表的な一人。
姓は北川、後に喜多川、幼名は市太郎、のち、勇助(または勇記)と改め、名は信美。
初号は豊章といい、歌麻呂、哥麿とも号す。
通常は「うたまろ」と読むが、秘画本には「うたまる」としているものもある。
俳諧では石要、木燕、燕岱斎、狂歌名は筆の綾丸、紫屋と号して、蔦屋重三郎とともに吉原連に属した。
国際的にもよく知られる浮世絵師として、葛飾北斎と並び称される。
繊細で優麗な描線を特徴とし、さまざまな姿態、表情の女性美を追求した美人画の大家である。
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