たった一つのプレーで試合がひっくり返ってしまった。
堅守と言われた名古屋から鮮やかに先制点を奪ったばかりの新潟だったのに。
暗転してしまった。
2023年J1リーグ第6節、ホーム・アルビレックス新潟対名古屋グランパスの一戦。
それまでは、まるでJ2時代の昨年の試合を見ているような感じだった。
アルビがボールを保持して、相手にボールを取られない。
時々速攻を受けるが、うまく守って決定的なシーンを作らせない。
気持ちよいようにパスが回って、試合を支配していたのだった。
この調子だと、いずれ点が入ると思って見ていたところ、案の定だった。
攻め入った36分、ペナルティエリア内でボールが回る。
ダニーロのシュートがGKに弾かれると、そこに飛び込んだのは、太田だった。
ゴールにボールが吸い込まれていった。
新潟先制!
今日は勝てる!!
そう思った直後だった。
ちょっとピッチから目を離していたら、長い笛が吹かれ、ファウルの判定。
舞行龍にイエローカードが出たようだ。
そればかりか、ビジョンにはVARの不吉な文字。
主審が確認に行って戻って来ると、取り消しの合図。
場内がホッとしかけたら、その取り消しは、イエローカードの取り消しの意味。
つまりは、
だったのだ。
ここから試合は、ガラッと変わった。
DFが一人足りないので、FWの鈴木に代えてDFの田上を投入し、守り切ろうとした。
耐えるしかない新潟。
見ているだけでもつらくなる、守備一辺倒。
前半こそこらえられたが、後半56分に追いつかれてしまった。
何とか同点でしのいでいたが、やがて、80分についに勝ち越し弾をくらってしまった。
それでも懸命にボールを追って反撃しようとしていたが、終盤は一人少ないことから運動量が明らかに落ちてしまい、アディショナルタイムに決定的なゴールを奪われてしまった。
1-3。
無念だ。
だけど、なんとかしようというアルビの選手の必死さは伝わってきた。
何度もシュートをはね返したGK阿部も、よくがんばっていた。
Nスタンドのサポーターたちも、「アイシテルニイガタ」をはじめ、懸命に応援の歌を歌って選手たちを歌舞し続けた。
負けてしまったけれども、場内の観衆は、選手たちに激励の拍手を送っていた。
こんな試合もある。
経験するのは大切なことだ。
大事なのは、この悔しい経験を以降の試合に活かすことだ。
…そんなふうに言いながらも、応援するチームが目の前で負けてしまうのを見るのは、久々に本当に悔しかった。
その悔しさを払拭したくて、家に帰ってから、パソコンのネット上で、プロ野球で阪神を、バスケットボールで新潟アルビレックスBBを、それぞれ応援した。
その甲斐あってか、阪神は延長12回DeNAに6-5のサヨナラ勝ち。
新潟アルビレックスBBも、レバンガ北海道に92-81で勝利した。
それで、少し溜飲を下げたのであった。
これでリーグ戦は連敗となってしまった。
次節は、9日(日)にアウェイ神戸戦。
その前に、ルヴァン杯の柏戦が水曜日にホームで行われる。
けが人が回復途上とはいえ多いうえに、舞行龍は出場停止。
厳しい戦いが続くが、「全員が戦力」がんばってもらいたい。
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