洗堰の上を渡り、2か所目のエイドで、スポーツドリンクと水を取る。
スポーツドリンクばかりだと、気持ち悪くなる。
水も合わせて飲んでおく。
しかし、ランナーの姿がまばらだなあ。
それだけおいらは遅い走りだということか。
まあ、いいや。ゆっくり行くのだから。
やがて信濃川大河津資料館の近くで折れると、公園外周の桜並木の道。
ここには、八重桜などが一画にまだ咲いていた。
その先に行くと、やがてスタートゲートになる。
その近くでは、応援してくれる市民の方々の声がうれしかった。
場内放送では、「まもなく3位のランナーがゴールします」というアナウンスが聞こえた。
…えっ。ということは、もう1位のランナーはゴールした後ってことだ。
私は、今ようやく中間地点だから、優勝者はその倍以上のスピードで走り切ったということか。
すごいねえ。
感心しながら、私は、これから約5km先の第2折り返し点に向けて、行ってきま~す!
中間地点から少し行くと、道は一度土手を降りて国道116号線のガード下をくぐり、再び土手道に上がる。
ここで土手から河原にかけて一面に白い花が咲いていた。
たぶん、これは、「ハマダイコン」の花たち。
きれいに咲いているなあ…。
「置かれた場所で咲きなさい」が草花ならば、
「走れる力で走りなさい」が、今の私かな。
花は、私に力を与えてくれる。
道は、JR越後線のガード下をくぐるために、もう一度アップダウン。
この先で、出会いました、アルビユニ着用ランナー。
私と同じ12番の方に話しかけた。
「お互いアルビユニ仲間ですね」
「今日は、これから試合がありますね」
「私は、試合開始には少し遅れると思いますけど、ゴールしたらスタジアムに行って応援してきます」
そう伝えて、しばらくその方の後ろを走った。
走っていると、前から、もう一人アルビユニのランナーが前方から走ってきた。
この人は、「33番」のレプユニを着用していた。
33番…高木善朗は、今日の試合でベンチ入りするかなあ…なんて考えたりした。
折り返してきたたくさんのランナーとすれ違った。
それもだいぶ過ぎたころ、レース前に会って会話した同年齢の女性ランナーが、前方から走ってきた。
私より3~4kmくらい先を行っている彼女とすれ違いざま、「▲さん、ガンバで~す!」と声をかけた。
レース前に出合った後に、大会プログラムの参加者名簿で、名前を調べておいたのだ。
▲さんは、「ありがとう!」と返して、走り去って行った。
さて、長かった土手道を降りていくと、16kmの標示。
もうすぐ折り返し点だ。
⑪6分44秒 ⑫6分23秒 ⑬6分16秒 ⑭6分41秒 ⑮6分38秒 ⑯6分46秒
この辺で、去年応援のすれ違いになった方がいるはずなのだが…。
…ザンネン。お会いできなかった。
折り返すと、あとは5kmがんばるだけ。
再び土手道に上がる。
残り5km、ここからはカウントダウンの世界。
速くは走れないけど、腕を振って少しでも前に進もうと努力した。
1キロのラップタイムは、7分前後になったけれど、歩いているランナー、立ち止まるランナーもいて、まだ走れている自分を「いいぞ」と思いながら走った。
気づくと、もう一人の12番のアルビユニの方を追い越していた。
長い土手道のはるか向こうに、見える山は守門岳。
かつて、あの山がもっと近くに見える街の勤務先に2年間勤めた。
1年半は、この大河津分水近くのアパートからそこまで32,33kmを車で通ったのだったなあ…。
そんなことを懐かしく思い出しながらも、次第に足が上がらなくなってきた。
時々、右足のくるぶしに左足が当たる。
足が上がらないから、ぶつけてしまうのだ。
情けない。
特につらいのは、最後に2回ある上り坂。
残り1kmほどになったとき、このレースで初めて胸がちょっぴり苦しくなった。
ゆっくり深呼吸を何度かして、数秒少し楽になるのを待つ。
上り坂で、腕を大きく振り、歩いているランナーを抜く。
最後の直線、桜並木を歩かずに走った。
ゴール手前には、最も人が多く見ている。
よし、ラストスパートくらいするか!
と思って、脚に力を込めたら、ふくらはぎやら太ももやらが、ヒクヒクッとけいれんが走った。
やっぱ、ラストスパート、や~めた!(やめざるをえなかった…)
…で、なんとかゴール。
記録は、かつてない最遅記録、2時間19分台。
自己記録に比べて35分も遅く、2週間前の笹川流れマラソン、4週間前の新潟ハーフマラソンと比べても、10分も遅い。
しようがないよな、体調不良だったのだから。
⑰7分09秒 ⑱6分45秒 ⑲6分54秒 ⑳7分21秒 ㉑7分01秒
そんなことを思いながらも、達成感でいっぱいだった。
レース前に会った女性の言ったとおり、無理しないでジョギングしていればゴールはできる。
体調不良であっても、21km、ハーフマラソンを走り切れたのだから。
自分の体は、まだこのくらいはできるとわかったのだ。
たしかに、記録は悪かったけれども、苦しい思いもしたけれども、最低限完走できるということは喜びだった。
不思議なもので、疲労感はあっても体調不良の感覚は、全くなくなっていた。
代わりに、筋肉痛と関節痛がきていたが、心地いいとさえ思った。
会場を後にするときに咲いていた桜が、来たときよりも美しく感じられた。
来てよかった、走ってよかった。
この後は、デンカビッグスワンスタジアムに向かった。
シーズンパスを忘れたので少し手間がかかって遅れたが、アビスパ福岡戦の奇跡の大逆転勝利を見ることができた。
満足の一日であった。