先日、いい天気の日が続いたので、たくさんのカタクリの花を見たいと思い、毎年訪れる関川村の鷹ノ巣キャンプ場に出かけた。
たしかに、カタクリの花をたくさん見ることはできたのだが、それ以上に驚きだったのは、豪雨の爪跡が8か月たった今でも非常に大きく残っていたことであった。
去年の8月、新潟県下越地方北部で記録的な集中豪雨が発生し、大きな被害が発生した。
わが家でも、車庫への浸水があったのだが、村上市や関川村などは、それと比較にならないくらいの被災があった。
土砂崩れや浸水などによって建物が壊れてしまい住まいを奪われた人も多かった。
鷹ノ巣キャンプ場は荒川沿いにあるのだが、その荒川のそばにある鷹ノ巣温泉の旅館も、堤防が決壊し、堤防沿いに建つ建物や部屋が倒壊するなどの大被害を受けたのだった。
そのときの水かさが増した川の濁流がいかにすごい流れだったのかは、川沿いだが相当高くにある遊歩道を見て分かった。
注意を促す太い丸太の立て札が傾いていたのは、まだその一端だった。
普段は人の胸あたりの高さがある木の柵がすっかり砂で埋まっていた。
ここまで川の水が増水したのか、そして砂を運び上げたのかと思うと、そのすさまじいばかりの自然の猛威に唖然とした。
周囲には、その被害にプラスして今冬の重い雪で幹や枝が折れてしまって落ちたものがそのままになっていたりもした。
川の方を見ると、雪解け水とはいえやけに流れが速い。
その理由として、豪雨災害で川が削られ、流れる場所が変わってしまったからかもしれない。
川の付近だけでなく、キャンプ場の中を流れる小さな水路があるのだが、そこにも山から急激に流れ下った大量の水が際限なく押し寄せたらしい。
私の好きなミヤマカタバミが群生していた場所は、砂や砂利、石などがあふれ、かつて緑でいっぱいだったというのが嘘のようだった。
近くの小さな橋も壊れていた。
こんなところにまで濁流が押し寄せたのか、と驚かされた。
遊歩道で、周辺の管理に当たって様子を見て回っているような年輩の男性に会った。
「ひどい様子なんだけど、今は人が(災害の被害に遭った人の生活復興)優先だからね。人手が足りないんだよ。」
と話してくれた。
そうか、そうなのだなとうなずいた。
観光地よりも人の生活を優先させなくてはいけない。
花に会うよりも、自然の脅威を第一に感じてきた外出であった。