阿智胡地亭のShot日乗

日乗は日記。日々の生活と世間の事象記録や写真や書き物などなんでも。
  1942年生まれが東京都江戸川区から。

現代の晒し首ー市中引き回しの刑   大手マスコミと検察のコラボ   ベスト電器のある社員の場合

2022年07月31日 | 「過去の非日乗&Shot日乗」リターンズ
2009年04月21日(火)「阿智胡地亭の非日乗」掲載
 

磯のすーさんから、「障害者団体向け割引郵便制度の不正利用事件」の前回の記事に対してコメントをいただきました。

「この裏には政治屋さんの動きもあるように思ってましたが、どうも この感は当たってたみたい・・・・」

 

このコメントを頂き、直接のお返事にはなりませんが、こんなことを思いました。

1、 国や地方を問わず、上級、下級のお役所を問わず、官公庁とそれに類した機関の窓口が、マル暴とマル政のバッジをちらつかせた無理押し
 
ごり押しに弱いのは、今でもどこでも見られるようです。

 窓口の担当者が組織の上司に問題を上げても、ことなかれ主義の幹部は担当に「うまいことやってくれよ」と言って逃げる。
 
下はやむなく、見てみぬふりをして、事がもめないようにするというような。

 さて、今回は犯罪容疑の金額がでかいので、タレこまれた大阪地検特部は大ハシャギで飛びついた・・ようにも見えます。
日頃東京の特捜検察だけにライトが当たるので、ようやくいい餌にありついたと大喜びしているようにも。

 そんな下司の勘ぐりではなく、東京特捜検察との連携プレーであるかも知れない。
 
もしそうであれば、小沢の秘書の逮捕が「国策調査」だという批判が出ている中、いや検察は国会議員の不法行為を正すことをやっているだけだと、
そのサンプルの一つにしたいのかもしれない。そして暗喩として民主党の議員の実態を示すという巧妙なオマケもついている。

2、それにしても、不正の流れの最終の位置で、制度を悪用した民間会社のベスト電器のサラリーマンを、まず有無を言わさず逮捕しましたが、
 
これは一般くにたみとしては相当イタイ話だと思います。

 サラリーマンが会社の業務としてコストダウンを図ったことが、不法なことだったというのはわかりますが、
 
こんなに簡単に即、逮捕されるとは、本人もいささかも思ってなかったのでは。

そして過去の郵便法違反で、こんな短時日の逮捕はあったのでしょうか?

3、検察庁は法務省の傘下の行政官庁です。この官庁は日本の法治行政を担っていますから大きな権限を国民から与えられています。

 つまり犯罪容疑者を(逮捕状を取った上で)逮捕し、身柄を拘束することが出来ます。

 その検察が、今回は割引制度を広告会社の博報堂から提案されてその提案に乗った、一民間企業の、全く犯罪の前科のない勤め人を
 
4月16日に郵便法違反で逮捕しました。

 逮捕されたベスト電器の元販売促進部長で子会社「さくらや」常務、久保俊晴容疑者(51)は、普通に会社の業務をやっている自分が、
 
まさか「郵便法」違反で牢屋にぶちこまれるとは、一週間前まで思っても見なかったでしょう。

久保容疑者さん、8人の人が同時に逮捕されたのに、常に貴方の名前が一番先に報道される。理由ははっきりしています。
 
一部上場の名前を知られた会社の社員だから。見せしめには一番効果的で、テレビや新聞に必ず大きく報道されるとわかっているからです。

 普通に毎日、会社へ行っていたダンナが、お上のお縄を受けて牢屋へぶち込まれた奥さん!判決が出るまでは無罪とか、世間は思ってくれませんよ。
 
奥さんはじめご親戚の皆さんも、大変なことですね。学校にいっておられる子供さんはイジメに会われているのでは。

4、今回はじめて郵便法をネットで開いて読んでみました。

 久保容疑者の犯罪容疑に該当するのはこれかなと、罰則の項を読むと、

「(料金を免れる罪)第84条 不法に郵便に関する料金を免れ、又は他人にこれを免れさせた者は、これを30万円以下の罰金に処する。《改正》平14法098
 
というのがありました。

 いままで葉書や手紙を出すのに、「郵便法」を読んだことはありません。タクシーに乗るのに「道路運送法」を読んだ事がないのと同じです。

 久保容疑者の逮捕容疑は30万円以下の罰金としても、彼と彼の家族とご親戚は既に世間のさらし者になりました。

日本の司法システムでは欧米と違って、容疑者を起訴するかどうかは検察官の裁量に任されています。
 
従って全件が起訴されるわけではなくそれが有罪率99%の理由です。

 ある容疑で逮捕された当事者としては、結果として、例え「起訴猶予」で「書類送検」となっても、
 
お縄を頂戴して検察に拘置されたその事実は世間的には残ります。
 
行政官庁の役人の裁量に、その後の、そのくにたみの一生が左右される仕組みです。

「早くここを出たかったら、やりましたと言ったほうが楽になるよ」と、逮捕したご婦人に踏み絵を踏ませようとした鹿児島県警の捜査手法に
 
今の司法システムの氷山の下が覗けます。

まずシナリオありきの特捜検察が、久保容疑者を民主党の牧議員に迫る生贄に使ったとしたら、いったん晒し首にされた彼と彼の家族が失うものは大きい。

5、最後に、メデイアは逮捕容疑を「郵便法違反」としか書きませんが、郵便法のどの条項の違反か、及び、かって郵便法で逮捕されたユーザー側の民間人が
 
いたのかどうかと合わせて、ちゃんと調査報道をして欲しいものです。

 と言っても、取材を下請けに殆ど丸投げの大手新聞・テレビには、無理なお願いかもしれません。
 
自分の物差しで事を読んでいく楽しみを残してくれてありがとうと、言うのが正解かも知れません

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