長く楽しんできた連載小説が終わりました。
群 ようこの「ぎっちょんちょん」です。
この物語は、彼女の身辺ネタのエッセイではないジャンルで、恋愛・結婚生活・離婚・職場の人間関係・子育て、そして母親との確執・祖母の愛などが生き生きと書かれていました。
そしてそんな生活の中で、自分の好きな三味線の世界を見つけ出し、その時空に入り込み、ついにプロの芸者のテストに合格する。
この日本列島の無名の大多数の中には、西洋音楽とは無縁に、いまも小唄、俗曲、端唄の粋の世界で息をしている人間が確かにいる、
そんなことを気がつかせてもくれましたが、主人公のエリコの造型が立っていました。
彼女には山折哲雄が言う、日本列島人が古来から持つ「知性」と「やくざ性(反俗的な冒険心)」と「含羞性」があるのです。
部分的に知っていたお座敷の音曲を、この小説のお陰でテキストを知りました。
「猫じゃ猫じゃ」
猫じゃ猫じゃとおっしゃいますが、猫が猫が足駄はいて、絞りの浴衣でくるものか オッチョコチョイノチョイ チョコチョイノチョイ
「ぎっちょんちょん」
丸い玉子も切りよで四角、ぎっちょんちょん ぎっちょんちょん
物もいいよで角が立つ おやまどっこい どっこい どっこい
よーいやな ぎっちょんちょん ぎっちょんちょん
「巽やよいとこ」
巽やよいとこ 素足があるく 羽織ゃお江戸のほこりもの
八幡鐘が鳴るわいな
掲載誌 「波 6月号」 新潮社
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