今週前半は、アントワン・タメスティと鈴木優人によるガンバ・ソナタを楽しんできました。といっても、じっさいにはヴィオラ・ダ・ガンバ(ヴィオール属)ではなく、ヴィオラ(ヴァイオリン属)とチェンバロでの録音(2018年)です。タメスティの楽器はいわゆるモダン仕様のストラディヴァリウス「マーラー」(1672年)ですが、バロック弓をもちい、ピリオド・アプローチもふまえての演奏で、ヨハネス(ヤン)・クーシェ・モデルのチェンバロとも親和しています。ヴィオラでのガンバ・ソナタは、タメスティの高度な技巧もあり、ガンバにくらべキレキレです。しかし、ややくすみのある響きが、うまく音楽を丸めていて、とても楽しめます。
CD : HMM 902259(harmonia mundi)