三位一体節後第15日曜日にきくのは、カール・リヒターたちによる「全地よ、神にむかいて歓呼せよ」(ARCHIV PRODUKTION 439 387-2)です。「全地よ」は1730年9月17日に初演されたとみられる、ソプラノ独唱のためのカンタータ。バッハのカンタータ中、とりわけ録音の多いカンタータのひとつで、これからきくリヒターの録音(1959年)では、往年の名歌手、マリア・シュターダー(1911年、ハンガリー)が歌っています。トランペットはヴィリー・バウアー(1923年、ドイツ)で、管弦楽はミュンヘン・バッハ管弦楽団です。録音年代を感じさせるのは、たっぷり歌われるレチタティーヴォぐらい。アリアなどではさほど古さを感じさせず、いまでもこういう演奏はありそうです。響きはとても明るく(シュターダーの声質も貢献)、まだまだ楽しめます。