今夜きくのは「ビュッケブルクのバッハ」と呼ばれる、ヨーハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハのニ短調のシンフォニア(交響曲)です。ヨーハン・クリストフ・フリードリヒは1732年に生まれ、1750年にビュッケブルク宮廷のチェンバロ祖者となり、1759年にはコンサートマスターに就任。そして1795年に亡くなっています。3楽章からなるニ短調のシンフォニアは、1768年の日付をもつ筆写譜で伝承されており、筆写譜には4声のシンフォニア(第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラと通奏低音)と表記されています。演奏はベルナール・ラバディ指揮のル・ヴィオロン・デュ・ロワで、1996年録音の「Music of Bach's Sons」(Dorian DOR-90281)に収録されています。ラバディたちの演奏は、いつものようにさらりとした美しさがあるのですが、もうちょっと、どぎつさがあってもよかったかと。