今週きいてきたのは、エリザベス・ウォルフィッシュの「Bach: Sonatas and Partitas」。のこるはこれから楽しむパルティータ第3番(BWV1006)のみです。このパルティータはプレリュードにはじまり、舞曲のルール、ガヴォット・アン・ロンドー、第1、第2メヌエット、ブーレー、ジーグが続きます(パルティータ中の最大楽章数)。
ウォルフィッシュの演奏するプレリュードは、かなり突っ込んだもので、スピード感のある前のめりといえる演奏です。これまでの6曲では、プレリュード以外の演奏のように、こまやかなアーティキュレーションが特長で、じつにていねいな演奏できた。そのかわり一部をのぞき、進力にはやや欠ける印象があっただけに驚きです。
ウォルフィッシュのアルバムは、全体としてはおもしろく感じました。中庸な面と、前記のような攻撃的な面が共存しているのは、ちょっとちぐはぐな気もしますが。なお、録音は1996年。ヴァイオリンはペトルス・パウルス・デ・ヴィトールの1750年製、弓はマシュー・コルトマン製(初期のジョン・ドッドによる)で、ピッチはA=400Hzです。
CD : CDD22009(hyperion)