昨日からききはじめた、サーストン・ダートによる「フランス組曲集」(DECCA 482 9398)。このアルバムは、ダートがクラヴィコードを弾いて1961年に録音したもので、そのクラヴィコードはトーマス・ゴフ製作の楽器です。ゴフは前職が弁護士というめずらしい経歴の鍵盤楽器製作家で、写真家兼鍵盤楽器製作家のハーバート・ランバートに楽器製作を学んだとのことです。ゴフの楽器(歴史的楽器をモデルにしたわけではない)はダートやジョージ・マルコムといった演奏家にも支持されていたようで、「ハープシコードのスタインウェイ」といわれたといいます。録音から干支が一巡しており、音の鮮度はそれほどではありませんが、今日きく第2番でもその響きを楽しむことができます。