今日これからきくのは、エレーヌ・ティスマンの「Prisme Bach」(Klarthe Records KLA121)。ティスマンは1982年生まれのフランスのピアノ奏者で、アルバムは2019年の録音です。音楽の再創造には、即興、装飾、楽器、奏者といったさまざまなプリズムを通すことが必要で、そこから生まれる無限ともいえる音楽のひとつを、このアルバムでは楽しむことができます。ここではとりあえず1曲のみ、「半音階的幻想曲とフーガ」を楽しみます。演奏は音楽的な制約のあるフーガよりファンンタジー(幻想曲)のほうが自在でおもしろく、ピアノというプリズムを通した美しさがあります。なお、録音で使用されているピアノは、スタインウェイD型です。