『バッハの人生とカンタータ』(春秋社)は、2012年11月に発刊されたバッハ本です。著者の樋口隆一は、高名なバッハ研究者ゲオルク・フォン・ダーデルセンの弟子で、「新バッハ全集」の校訂者。近年では指揮者としても精力的に活動されています。『バッハの人生とカンタータ』は、「あとがき」にあるように、同名の連続講座をもとにしたもので、著者によれば「これからバッハの音楽を真摯に聴こうという読者のための本」ということ。とりあげられた音楽はカンタータだけでなく、受難曲、オラトリオ、ミサ曲もふくまれ、13章からなっています。NHKの講座として回数に制限があったのでしょうが、あと1章追加すれば「14」章でした(「あとがき」を入れると「14」になりますが)。ともあれ、『バッハの人生とカンタータ』はバッハの声楽曲入門編といえるもので、さらなる情報をもとめるならば、ちょっと古くなりましたが、著者の『バッハ カンタータ研究』(音楽之友社)をおすすめします。