毎日バッハをきいていこう!

一日一バッハ




『バッハの人生とカンタータ』(春秋社)は、2012年11月に発刊されたバッハ本です。著者の樋口隆一は、高名なバッハ研究者ゲオルク・フォン・ダーデルセンの弟子で、「新バッハ全集」の校訂者。近年では指揮者としても精力的に活動されています。『バッハの人生とカンタータ』は、「あとがき」にあるように、同名の連続講座をもとにしたもので、著者によれば「これからバッハの音楽を真摯に聴こうという読者のための本」ということ。とりあげられた音楽はカンタータだけでなく、受難曲、オラトリオ、ミサ曲もふくまれ、13章からなっています。NHKの講座として回数に制限があったのでしょうが、あと1章追加すれば「14」章でした(「あとがき」を入れると「14」になりますが)。ともあれ、『バッハの人生とカンタータ』はバッハの声楽曲入門編といえるもので、さらなる情報をもとめるならば、ちょっと古くなりましたが、著者の『バッハ カンタータ研究』(音楽之友社)をおすすめします。

バッハの人生とカンタータ

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BBCウェールズとEuroArtsによる共同制作による「平均律クラヴィーア曲集 第1巻」(EuroArts 2053738)。凝った演出やロケーションの美しさで、続けて視聴しても飽きることなく楽しめる映像作品です。前半後半で奏者を替えるのは一長一短ですが、映像ならではの楽しみもあります。前半担当のアンドレイ・ガヴリーロフと、後半担当のジョアンナ・マグレガーは、打鍵のさいの指の形が対照的で、ガヴリーロフが曲げているのに対し、マグレガーは原則伸ばして弾いています。音楽そのものには影響はありませんが、マグレガーはチェンバロを弾くさいにも指を伸ばしていたのを思いだしました(記事「GREAT COMPOSERS Bach」)。それはともかく、これから楽しむのはマグレガーによる第22番。収録は2000年、場所はバルセロナのグエル邸(Palau Güell)です。

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