ネット・バカ インターネットがわたしたちの脳にしていること [単行本]
ニコラス・G・カー (著), 篠儀直子 (翻訳)
5つ星のうち 4.6 (15件のカスタマーレビュー)
内容(「BOOK」データベースより)
「グーグル化」でヒトはバカになる。グーグルで知らないことを検索し、ツイッターで日常をつぶやき、iPadで本を買って読む。さまざまなインターネットメディアを当たり前のように使う日常のなかで、実は私たちの脳は少しずつ変化しているのだ。『クラウド化する世界』の著者がメディア論から神経科学までを使って暴きだす、まだ誰も知らない驚きの真実。
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The Shallows: What the Internet Is Doing to Our Brains
日本語版「ネット・バカ インターネットがわたしたちの脳にしていること」
日本語版のタイトルは、よかったのかどうか。しばらく読む気がしなかった。
内容はよく、連想したような内容ではなかった。
ネットばかりしているとバカになる。
注意力散漫 集中力、長期記憶力の衰え。
ネットはあまりにも便利なため、漠然とした不安がある。思い当たる節がある。
機械を使うようになった溝堀人の筋力は衰える。
メディア論や神経科学の分野からの科学研究事例を多数引用しながら説明されると、つい引き込まれてしまう。
対話を重視したソクラテスの書物批判(自分自身の記憶に頼らなくなる。)p246
そして、「執筆の道具は、われわれの思考に参加するのです」(p.36)というタイプライターを使い始めたニーチェの言葉が引用される。
メディア論のマクルーハンに「長期的に見れば、われわれの思考や行動に影響を与えるのは、メディアの伝える内容よりも、むしろメディア自体である」(p.11)
と言われるとなるほどと思う。
そこで、昔学校の先生に、大河ドラマの話で、テレビばかり見ているとバカになると言われ反発を覚えたことを思い出した。きのう見たテレビのことはすぐに忘れてしまうから、それより本を読むようにしたほうがよい、という話だったと思う。
弁慶の立ち往生のその場面は今でも鮮明に?覚えているが、上のマクルーハンが言うように長期的に見れば、あの先生のおっしゃったことは間違いではなかったように思いだされる。
しかし、かといってテレビと完全に無縁でいられることはなかったし、これからもそうであろうと思われる。
この本の著者の科学研究事例の引用もインターネット検索で集めてきたような印象がして必ずしも著者の信念からでたものばかりではないようにも思われる。
著者自身、ネットとの絶縁を試みたものの、現在もまだ完全に絶縁できたわけではないと告白しているP273ように、「長期的」には、断定しているようには思えない。
しかし、ネットユーザーが頭と心の片隅にいつも置いて置かなくてはいけない問題ではあると思う。
反対論をネットで検索してみたが、あまり見あたらない。
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