裸の島
乙羽信子 (出演), 殿山泰司 (出演), 新藤兼人 (監督)
5つ星のうち 4.6 (11件のカスタマーレビュー)
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amazon 内容紹介
瀬戸内海の孤島で力強く生きる貧しいひとつの家族を台詞無しで描く映画詩。モスクワ国際映画祭グランプリ受賞。
モスクワ国際映画祭グランプリ、ベルリン映画祭セルズニック銀賞。国内外問わず高く評価された。瀬戸内海の孤島で力強く生きる貧しいひとつの家族を台詞無しで描く映画史。
=======きょうのつぶやき
NHK BSシネマ 山田洋次監督が選んだ日本の名作100本~家族編~「裸の島」. . チャンネル:BSプレミアム放送日: 2011年6月5日(日) 放送時間:午後10:00~午後11:46(106分)
を録画して観た。よかった。
台詞がない分、クローズアップされるのは音楽だけではない。
櫓が海面をたたく音、天秤棒を担いで段々畑の道を踏みしめる夫婦の足音、桶が着地し天秤棒をはずす音、乾いた土に水がしみ込む音、山羊が草をかむ音、その他。これらは、ことさら強調されているのではなく、鑑賞者は自らそのとりこになったように聴き入る。
繰り返される音楽と共に、見終わってもしばらく耳からはなれない。
耳ばかりではなく、体も見晴らしのいい小島の高台にいるような気分。それはカメラが建物の中にはほとんど入り込まないせいだろうか。自分がスタッフになり撮影を楽しんでいる気分になる。
乙羽信子さんが畑で水をこぼしてしまうシーンが2度ある。一度目は過失、二度目はそうではない、夫役の殿山泰司が、それぞれのシーンでとる態度は、考えさせられる。働くとは?生きるとは?。このシーンだけで入場料を払う価値がある。
また震災を経験した今、新たに、便利な生活とは?など、泣けるのに、いろいろ考えさせられる。下手な考え休むに似たりと殿山泰司に言われているような、いや目で諭されているような。
昭和35年とはいえ、たったの350万円で、こんな映画が出来てしまっては、あとにつづく監督たちは、困ってしまったのではなかろうか?