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『月桃夜』(げっとうや) 単行本 – 2009/11/20 ファンタジーノベル

2015年01月09日 | 本と雑誌

『月桃夜』 (げっとうや) 単行本  – 2009/11/20
遠田 潤子   (著)  

      amazon 8件のカスタマーレビュー  読書メーターには150件もの観想・レビューが。

郷土関連の小説を読もうと年末に3冊借りました。

発売当初の書評かなにを読んで、また奄美を出しに使うだけの味の薄い小説か、と勘違いしていました。第21回「日本ファンタジーノベル大賞」大賞受賞作だそうです。

江戸期の奄美のヤンチュが描かれていて、歴史書ではなかなかつかみにくい(あるいは表現されない)ヤンチュの具体的なイメージも少しではあるが描かれていたと思う。歴史書からは悲惨さだけを受け取りがちであったが、この小説では、別の角度からの見方もほんの少しではあったが示されていたと思う。それをたよりに最後までおもしろく読めました。ただ主人公?のフェイクサ少年の容貌や、性格がファンタジーノベルとしては、最後までイメージが合わなかった。

巻末には 引用・参考文献として14冊が紹介されていて
南島雑話1.2につづいてロシア文学者で奄美加計呂間出身の昇曙夢著『大奄美史』があげられている。
また、著者の略歴には「ドストエフスキーや森鴎外の作品世界の「理不尽な何か」に惹かれ、創作活動を始めた」とあり、なるほどと思ったしだい。

関連このブログ 『日露異色の群像30』 ―文化・相互理解に尽くした人々 (ドラマチック・ロシアin JAPAN) 単行本  – 2014/4

 

amazon 内容(「BOOK」データベースより)

想いは人知れず、この世の終わりまで滾り立つ―。死んでもいいと海を漂う茉莉香に、虚空を彷徨う大鷲が語りかける。熱く狂おしい兄の想いを、お前はなかったことにできるのか?かつて二百年前の奄美にも、許されぬ愛を望んだ兄妹がいた…。苛酷な階級社会で奴隷に生まれた少年は、やがて愛することを知り、運命に抗うことを決意する。第21回「日本ファンタジーノベル大賞」大賞受賞作。


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