カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

焦土の中から

2006年02月15日 | △ 旅 あれこれ ドライブ


南宗禅寺
戦国武将・三好長慶によって1557年に創立された寺。
大阪夏の陣で焼失したが、沢庵和尚によって再建された。
若き日の千利休が禅の修行をつみ、侘び茶の精神を培ったことでも知られる茶道ゆかりの寺。



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「奈良の町で一番好きな場所は?」と問われたら、即座に「東大寺の裏から二月堂への石畳と土塀の道」と答えている。
そんな私の土塀への拘りを、ここ、堺の利休ゆかりの寺南宗禅寺を訪ねたとき、一瞬神経がビビッッとするような土塀に遭遇した。
この土塀の作られた史実については、調べてもわからなかったが、案内してくれた友人の話では、昔の大火(多分大阪夏の陣と想像した)で寺が焼けてしまった後、寺や、その周辺の瓦を、焦土の中から、集め土で固めながら塀を築いたとの事であった。
瓦の色も、土の色も、さまざまで塀の横1段が同じであっても、上に立ち上がるにつれて微妙な色変りの見えるものがある。
主になっている瓦の差込みも、一見面がそろっているように見えるが、欠けていたり焼けた様な色跡が残っている。

焼け跡の瓦集めや土集め、築く作業は、きっとお寺関係の人だけでなく、当時の町を挙げての人の手が関わっていたのであろうと、想像しながら、今このお寺のあちこちに見られる瓦土塀に、人の温もりをおぼえて感激しながら土塀散策をした。


コメント (10)
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