実はこれは、「卯月八日に、瀬之堂に行こう」であった。
子供の頃の言葉に耳から入って意味も分からず使いながら、お互い通じていたものがある。
瀬之堂は大澤寺の通称だ。即ち五月八日にはこの寺で「花会式」が行われ、近在近郷から多くの人がお参りした。
現在は祝日の五月五日になっているが、私の子供の頃は八日だった。
かなり遠い道のりを、学校が終わってから、友達同士や、高学年(その頃縦の繋がりが大きかった)の人に連れられて走るように瀬之堂のある山に向かった。
お寺はお祭りのように賑わっていた。
御供撒き(お供えしてあったお餅を撒く)を拾うのが何より楽しかった。
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車で来たが、子供の頃よくまあ、こんな遠いところまで歩いたものだと、その頃の子供たちの健脚ぶりに今更感心している。
青葉の頃に来るのが常だったので、早春の瀬之堂は初めてだ。
桜の頃、紅葉の頃はさぞ綺麗だろうと古木の花芽を見ながら思う。
静かな佇まいのひっそりとした境内には、思い出が沢山あり、訪れてよかったと思った。
大澤寺・五條市観光協会
大澤寺にまつわる昔話