1本編みの編み針で一目一目に、心の篭った座布団の温かさがある。
プレゼントしてくださった82歳の、公民館活動の仲間であるHさんだ。
お年を思わせない高音の歌声の持ち主である。
この公民館活動の発足は、私の家から始まった。
前にも書いたことがあるが、退職記念に何か楽しみになるものを買っておこうと決めたのが、迷った挙句、カラオケのオーディオセットだった。
これなら、皆さんが集まってもらえるし、人との出会いも多くなる。
初め5~6人が集まって、先生に来てもらったがいつの間にか大勢になり個人の家での活動から公民館活動へと移動した。
最初から参加のHさんは、その当時家庭的に大変な悩みを抱えていらしたことを後になって話してくれた。
潰れそうになったいる時、週1回の私のうちで歌うことで気持ちが落ち着いたし、友達と話すことで気が紛れて次第に立直ることが出来たそうだ。
元気になった時に編んでくれたのがこのカラフルな座布団である。
Hさんの心の篭った座布団を今も大切にしている。