大きい目的は、市の福祉施設への物品寄付である。
会員全員の拠出金がそれに当てられる。指導の先生の発案である。
前日準備に半日出かける。
会場に行って驚いた。
会場の後方に設置された本格的なオーディオのセットである。
公民館には、先生が寄贈された立派な機器があって、日頃はそれで練習するし、先日の公民館全体の発表会にもそれが使用されていた。
ところがこの日は専門の技師の方が全て音の調整をしてくれる。
素晴らしい音響だ。
この機器に助けられたように38名の一日歌手は、皆 日頃の練習の成果を上げることが出来た。
会場は5時終了の最後までほぼ満席だった。
とりが先生の「熊野古道」と「壺阪情話」だから、誰も立つ人がいない。
半日楽屋裏で、もう一人の技師の方の助手を務めていたが、この時ばかりは素晴らしい歌にしんみりと聴き惚れた。
自分の歌が済むまでの緊張感でこわばっていたが、どの顔も一つの事をなし終えた満足感で、和やかな笑みで散会した。