昨日、5月最後の日曜日は、この町の大きなイベント「かげろう座」の開催日である。
起床してすぐ外を見る。
曇ってはいるが、降ってはいない。
これくらいの日の方がいい。
午後からの晴れを期待して8時前に家を出る。
友人の家に車を置かせてもらい、受け付け手続きのため、地下道を通って国道に上がると、今日のイベントの大きい看板が目に付く。
車も人も少ないが、10時過ぎには混雑で大変だろう。
新町通りの入口である。
ここは、旧紀州街道で宿場町として栄えた古い町並みの名残を留める町並みである。
早い時間であるが、フリーマーケットの準備がすでに始まっている。
それらをカメラに収めながらも、大急ぎで、通りの中ほどにある、私たちのグループの出店場所に急ぐ。
毎年お借りするKさん宅。
奥行きの広い家の、軒先をお借りしての出店だが、Kさんのご好意で、表の部屋を開放してくださるので、大変ありがたい。
何かにつけ、配慮してくださるKさんのお人柄に助けられている。
昨夜のうちに運び込ませてもらっていた品物を、軒先の台に並べる。
作品は、1年間に会員の人達と、会員外の協力者によって作られた指編みマットで、材料はリサイクル素材である。これも、協力者の好意で補給してもらっている。
高い位置に貼り付けるPR看板は、会員の夫殿と、お向かいに出店しているお兄さんがしてくださった。
もうこの頃には、早いうちに買い物や、見学の人が出始めて、通りは活気付いてくる。
この車椅子を押して行かれた方が、帰りに立ち寄ってくださって、柿の葉寿司の差し入れをして頂いて、皆感激。
昼食する時間がなかったのでずいぶん助かった。
手作り作品が多く並び、ちょっと覗いてみたいけれど、やはり自分たちの店が気にかかる。
出店している位置で、通りの様子を見るのが、毎年精一杯であるる。
買って下さる方と、対応しながら今年一番印象に残ったのは、かなり高齢の女性の方が、マットを吟味しながら選んで購入していただいて、杖を突いていらっしゃるので、「重いですよ、大丈夫ですか」と尋ねたところ、それまで離れた場所にいらした、ご主人がゆっくり歩み寄って、奥さんの買った嵩の高いマットを、かばうように、自然に持たれた。
いいご夫婦の様子に心温まる思いになった。
今年のかげろう座の出店も、私たちの活動は沢山の人の協力に支えられ、無事参加、完売で終了することが出来た。
販売の疲れは、皆一つの職場を終えた身、お互い加齢になるほど付いて回るが、ささやかながら福祉のお役に立つ仕事をなし得た達成感は大きい慰めである。
今日の午後から、福祉センターに行き、「福祉作業所」で、何かのお役に立ててもらうための基金を届けることにしている。