カラオケ大会の日、出場者と来館者、来賓の方に先生からお土産に頂いたお箸である。
右は、お正月の祝い箸、平安時代の十二単をイメージするデザインである。
中は、利久箸で、主に高級料亭でのお膳に並ぶ。
左は、柾そげというお箸で、木の柾目が縦の線となっている。やはり料亭のお座敷用にお膳に添えられるお箸だ。
先生の息子さんがお箸の会社を経営しておられ、そのお嫁さんのデザインで手作りの心の篭ったものである。
左の箸袋には、お嫁さんの落款がおされている。
利久箸には吉野杉の名が入っている。
当地は、昔から吉野の木材を利用しての地場産業として、箸製造業が盛んであった。
吉野の森林の間伐材や、建築用の木材を作る過程で出る木の端を、通常の割り箸や、このような高級な箸として利用されてきたのである。
だから、廃材となるものが、箸として生かされてきているから、決して、むやみな森林伐採から使い捨ての箸を作っているのではない。
心無い世界のどこかの国の人が「日本人の箸の使い捨てが、森林保護に反している」というようなことを言ったことがあるが、決してそうでなく、反って、廃材の再利用で資源保護に繋がっているといえる。
地場産業を若い世代のこの人達の創意工夫で、素晴らしい芸術作品のような装飾を施された作品が、生活に潤いを与えてくれるのも嬉しい。
先生から頂いたお箸が、余りに美しく使うのが惜しいような気がする。