標識を見間違えて迷い込んだ農道での光景は、水田は全て田植えが済んで、早苗には初夏の風が爽やかに流れていた。
田園地帯の広さと、統一されたような田の面積も、わが町には見られないものであった。
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最初は「あのベージュ色の畑はなにかしら?」と凄く興味が湧いた。
農道とはいえ片側一車線の立派な舗装道路である。
車の往来は午前10時過ぎだったか、前後に1台もない。
片側に停車して暫く様子を見たが、全く車が来ないので、そこに駐車して畑に近寄ってみて麦だと確かめた。
子供の頃、まだ青い麦畑に入って畝の前に立って「前へならえ!」と先生の真似をしたのを思い出して、思わず頬が緩んだ。
殆ど麦畑が見られない地方だけに、ここで見た景色は感動的である。
茶褐色の麦畑の有様は、まさに「麦秋」である。
全く左右の作物の色が違う面白い風景に見えた。
しかし、この麦刈りを終えた後は、水田になるのだろうか。
昔当地方の農家も、米と麦、米と大豆の二毛作の記憶がある。