
毎日ではないので縁日の法要が行われる日であるのだろうと、鐘の音を聞く。

転法輪寺略縁起には、次のようなことが記されている。
その時、一人の猟師があらわれ、二犬に道案内をさせました。
そうして、お大師様は無事に高野山へ行かれ、真言密教の修行の道場を開かれたのです。
この猟師こそ狩場明神であり、出会われたこの地が犬飼であります。」



縁起にある二犬がここに彫られているのが、高野山発祥の霊場として犬を大切にされているのが分かる。
賢そうで優しい犬の表情である。

弘法大師を本尊とする宝形造で、修行大師像約六百体が安置されているそうである。

お参りする多くの信者を見つめるような位置に建立されている。
「身はここに 心もここに 犬飼の 庭の修行を 見つめ守らん」
これは、お大師様が夢枕に立たれ山主に告げたという和歌であるが、近在、遠方から多くの人がこの境内で、祈願のお百度参りや、四国八十八所のお砂踏みをお大師様が見つめられている、信者にとってはありがたいお姿だ。


横に立てられている錫仗を打ち鳴らしながら、写真左のはすの台を踏みしめてお参りをする。

お寺の境内に神社?と思ったが、最初の縁起を読んで納得できた。
狛犬も普通神社にあるようなのでなく、あの透かし彫りと同じ犬で、白と黒だ。
この神社の後ろには、1300年前と推定される、大師塚と明神塚と呼ばれる古墳がある。
いつも通過するだけだった「犬飼さん」(お寺を親しみをこめてそう呼んでいる)を、このたび訪ね、お参りしたことから、地元にあって初めて知ったこともあり、母が生前、お四国参りに、犬飼さんの団体で連れて行ってもらったことなどのご縁をふと思い出した。

