カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

I 邸を訪ねて その2  燕のお宿

2008年02月22日 | ☆ ふるさと・大和




門屋を入る時、ふと上を見ると燕の巣があった。
「燕がやってくるんやね。」
「巣は、まだ中にあるんですよ。」
そういって案内してくれたのが、納屋だった。
ざっと見たところ3ついやもっとあったような気がする。
開け放してある納屋の梁は、燕にとって直接外に接していないので、安全安心の棲家なのだ。
燕の来る家は、ゲンの良い家と昔から言われている。


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暮らしの中で受け継がれてきたもの
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「あっ!竈」
土間を通る時まず目に飛び込んできた。
長い煙突が天井から外に伸びている。
古民家などに残されている竈は、本体のみの展示で煙突は外されている。
「これ、今もお餅を搗く時に使っているのですよ」
れっきとした現役で活躍との事。傍には炊きつけの粗朶と割り木があって、昔山のお寺に嫁いだ時、竈でご飯を炊いていた当時を思い出した。
I邸では、お餅搗きの時に釜の上に木製の蒸篭(せいろ)に餅米を入れて蒸し、木の臼と杵でお餅搗きをする。
美味しいお餅が出来上がることだろう。
広い土間にはもう一つ大きい竈があった。
釜はまるで五右衛門風呂のように大きい。
こちらは、めったに使わないそうだが、何か大きな行事の時にはこれを使うこともあるとのことだった。
お味噌も自家製であると聞いて、受け継がれたものをしっかり守っておられることに感動した。
近代化するものは最新の状況にして、日本古来の文化として残したいものは、厳然と残し守っている、そういう旧家の暮らしの1部分に触れさせてもらえたこの日は私にとって有意義な時であった。

徳次郎~大沢
コメント (10)
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