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会場受付までのスペースの壁面の写真が私の足をまず留めてしまった。
そこには、洞川龍泉寺の燃えるようなもみじの庭園や、洞川ですっかりなじんだ風景の美しい写真が、まるで出迎えてくれるように展示してあった。
最終章と書いていたので、今までにも築山氏の展覧会があったのだろうに、鑑賞の機会がなかったのが悔やまれた。
受付で記帳してから、友人が築山氏を紹介してくれた。
洞川の人であること、経営する喫茶店では沢山の写真を観れる事など、友人から確かに聞いていたことを思い出した。
日本の山々の素晴らしい写真に息を詰める思いで、築山氏の説明を聞きながら鑑賞することが出来た。
ダイヤモンド富士、尾瀬の草紅葉、日本アルプスの名峰の数々、四国は剣山、石鎚山、九州は霧島、大台ケ原から年に1~2度しか見ることの出来ない富士山等々。
枚挙に暇がない。
登山をし、その場、その瞬間しか撮れない写真に、感動しっぱなしだった。
何気なく穏やかに話されるが、3000m級の山に登っての撮影は、本当に山を愛している山男の姿勢が見え、またまた大きな感動を受けた。
それらの作品に寄せて、築山氏の心のうちを短歌に詠まれていることが、さらに私の感動を増幅した。