壷阪寺で先ず感動するのは、大きな石仏が至る所、いいえ・おわすべき所に、鎮座されていらっしゃることです。
何年かおまいりしないうちに、大なり小なり石彫がまっていてくださるような気がします。
また、これから造営されるかと思われるパーツの大きな石が置いてある場所もありました。まだまだ仏様が増えて私たちを見守ってくれるのでしょうね。
大講堂の軒を彩る紅葉は、ことさら華やいでいました。
仏伝図のレリーフは、巨大な壁面を作って、導かれるようにレリーフの物語に惹かれていきます。
紅葉している木は何かしら。木の名前を知らないまま、灯籠の背面があまり美しいのでカメラに・・・
明治の頃、ご本尊の十一面観音様は、殊にに眼病に霊験あらたかな観音様・目の観音様として多くの人の信仰を集めています。
明治の頃失明回復祈願にまつわる、お里澤市の夫婦愛を画いた浄瑠璃、「壷阪情話」が巷に大きな反響を呼び、寺への信仰が広がりました。
裏山の深い谷の上にある、お里澤市の像も、浄瑠璃の粗筋を知ると、涙を誘うものです。この谷に飛び降りて亡くなった澤市の後を追って、死を選んだお里ですが、観音様がその夫婦愛を哀れみ慈しみ、二人の命を助け、さらに澤市の開眼をお与えになったという物語は、演歌でも中村美津子さんが台詞入りで熱唱しています。
眺望のいいところに立ちますと、北に開けていますので、奈良盆地を一望することができます。 最後のもみじになるかもしれないここ2~3日の寒さです。もう少しゆっくり秋を楽しませて欲しいものと願いながら、壷阪寺のもみじは閉じることにします。