カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

因幡の白兎

2013年11月20日 | ★ 日々の呟き

 

だいこくさま

おおきなふくろを、かた に かけ、
だいこくさま が、きかかる と、
ここに いなばの、しろうさぎ、
かわを むかれて、あか はだか。

だいこくさま は、あわれ がり、
「きれいな みずに、み を あらい、
がま の ほわた に、くるまれ」と、
よく よく おしえて、やりました。

だいこくさま の、いう とおり、
きれいな みずに、み を あらい、
がま の ほわた に、くるまれば、
うさぎ は もと の、しろうさぎ。

だいこくさま は、だれ だろう、
おおくにぬし の、みこと とて、
くに を ひらきて、よのひと を、
たすけ なされた、かみさま よ。 

小さい頃講談社の昔話で何度も読み返した「因幡の白兎」の歌の題名が「だいこくさま」だったのだと歌詞を探していて知った。

絵本で知った後国民学校でも習ったような記憶があるが、それは定かではない。2年生の時学芸会で5組まであった中で、どれかの組がこのお話の劇をしたのだけが、鮮やかに憶えているのに、自分の組の劇も自分の役さえも覚えていない。幼い頃の記憶とはそんなものかもしれない。

  

 

騙した鮫に皮を剥かれて赤裸になってないていた、白ウサギに、優しい大黒様が「蒲の穂綿に包まりなさい」教えられて、そのとおりにして命を助けられたことがその当時からずっと「蒲の簿綿」ってどんなのかしらと、この歌や、お話を聴く度に思っていたものだった。

蒲の花というか実というのか、裏の田圃が放置田になった頃から、水のよく溜まる場所にかたまっで生えるようになった。

それが、ある日茶色い皮が破れてでてきたのを、最初気味の悪いもので、なんだろうと遠くからただ眺めていた。

カメラを持って裏に出た時、「大黒様」が白兎に教えた「蒲の穂綿」がこれなのだと気がついた。よく見るとふわふわして、優しく傷ついたウサギを包み込んでやれそうな感触が分かる。 

 

この写真の枯れた色になっているのが、蒲の穂綿の集まりだ。

気持ちの悪いものと見ていたのが、大黒様の歌を思い出して、きっと昔々の神話の頃からこの蒲は自然の湿地に生えていたのだろうと、なぞが解けたような気持ちで眺めていた。

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小さい公園の紅葉の華やぎ

2013年11月19日 | ☆ ふるさと・大和

 

 

 「カラオケにきたんやけど、公園の紅葉がまっかっか。綺麗やで。カメラ 持って、ついでに歌いにおいでよ。」そんなメールが来たので、近くの住宅団地にある公園へ車を走らせた。

ここは大きな藤棚のある公園で、藤の花の頃も彼女から、藤の花とカラオケの誘いを受けて気分転換に出かける。 今は紅葉だけが12月のような寒い北風の中に、最後の華やぎを誇示するかのような大きな存在感を示していた。

 

 

 

 

  

残念ながら曇天で灰色の低い雲が空を覆っていたが、それがかえって紅葉の葉の色をそのままに見せてくれている。

エンジ系の葉と、鮮やかな朱色の葉の2種類の木が植栽してある。 

 

   

ほんの数本の楓だけれど、季節の巡りに目をとめて、声をかけてくれる友人のいることも嬉しいし、久しぶりでカラオケスタジオで声を出したのも、肩のこりが落ちたような気になった。そこで思いがけない知人と出会えたのも、紅葉が取り持つご縁かもしれない。 

 

 

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當麻寺 紅葉

2013年11月18日 | ☆ ふるさと・大和

 

 

 

早朝部屋の雨戸を開けると、西吉野の山の半分に白い幕を引いたような、川霧が目に入る。我が家からの冬の風物詩である。こんな日には霧が晴れると、青空いっぱいの日になる予告でもある。

思い立って當麻寺にいったのもこの日だった。 体調が今よりよくない頃だったので、写してきた写真の整理もせずそのままになっていた。 外に出ている時だけが、気の紛れる時だった。(撮影日・11月8日) 

 

仁大門の前の桜の紅葉を通して、二上山が静かに迎えてくれる好きな風景だ。 

 

広い境内に入ると、二上山が更に迫ってくる。常緑樹の前のこれも桜の木である。

春の華やかさもいいが、紅葉した桜の佇まいもいいものだ。

 

鐘楼に沿うようにこれも桜の葉の紅葉である。

 

この日の目当ては西南院だ。 

 

江戸初期に造られた、池泉回遊式庭園の、登りと下りの2箇所にある水琴窟の、妙なる地底からの呼びかけのような音に、耳を澄ませて永らくそこに佇んでいても、訪れる人の少ないこの日は、庭園みんなが私のもののような気分だった。 

ここからは、東西両塔の望める位置であることが、なんと贅沢なことであると実感する。 

 

目の前の西塔の姿が池に映りこんで、まるで三つの塔を見ているような感じがする。 

 

西塔から東塔を望むと、いち早く紅葉した楓の紅が、これから紅葉しようとしている楓の中によく映えて、こんな時期にお参りしたことがなかっただけに、巡り来る冬の前のひと時の庭園の静寂が、この頃の私の心身を癒してくれたのは事実である。 

               

西南院で迎えてくれた、花や実。 ふうせんかずら 花茄子 つわぶき せんりょう 

 

この写真を撮った日から10日経っている。この頃よりも体調はいくらかよくなっている。 そして紅葉はもっともっと進んでいるに違いない。訪れる人の少ない頃だったが、今はもっと多くの人が訪ねているだろうと思う。

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続 正暦寺の紅葉 福寿院客殿

2013年11月17日 | ☆ ふるさと・大和

 

 

 菩提仙川に沿って本堂に向かう途中、右手に白漆喰の美しく続く塀が楓越しに見える。

江戸時代に建立された福寿院客殿で、国の重要文化財に指定されている。

  

                   

菩提仙川は「やまとの水」として選定されている。清らかな水が紅葉の谷間を流れている。

「日本酒発祥の地」という碑が見られる。上の説明板にあるように、古くから地域の人々の生活と深く関わりあってきた清澄な水の優れた水環境にあったことが「清酒発祥の地」としての由縁なのだろう。

 

 

  

福寿院客殿の石垣の上に築かれた塀の曲線が、何処から見ても美しい。

  

福寿院客殿の門。

   

門の手前に、柿本人麻呂の「もみじ」の万葉歌が、木目の美しい板に書かれてあり、その説明の名盤もあったのでカメラに。

  

 

 

 

 

温かい陽射しのある縁側に座って、悠久の時の流れの中にあるようなひと時を過ごす。

自然風景四季庭園というのだそうだが、向こうの山の紅葉を借景として、もう少し紅葉が進めば、素晴らしい一幅の絵のような景観を見せてくれる。(昨年はその時期に出会えた)

 

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紅葉の正暦寺

2013年11月16日 | ☆ ふるさと・大和

 

 

奈良市の中心から8kmの地にある正暦寺は、古来より「悟りの山」の山と呼ばれてきたそうである。深山幽谷の趣があり、昨年初めてお参りしたこの季節に再び、山の霊気と紅葉に染まりたくて、小春日和の今日友人を誘って出かけた。

 

 

  

 

 

 

     

                                             (クリックしますと、大きい画像になります。)

全山紅葉にはまだ少し早いのか、緑の葉のままの木々も沢山あった。

しかし昨日の雨でしっとりと潤って紅葉した木々からは、太陽の光を透かして、朱色の光がが降り注いでくるような、幸福感を味わうことができた。

楓の紅葉ばかりでなく、菩提仙川に沿って、赤い実をたわわにつけた南天が、楓と競うように見事な景観を見せてくれる。

明日にもう少し続きます。

                                                 7602

 

 

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