リニューアル再掲:道後温泉本館 全景 (2017.07.08 撮影)
温泉地の景観は風土、文化によって様々な形態を現わすのだが、
道後温泉本館の容姿は素晴らしい。流石に四国で唯一の高温泉
という風格は建物全体に漂っている。入って良し、見て良しだ。
観察:湯の質、湯船の気品、建物の立派さ、そして古代からの
歴史を総合して、ここは温泉聖地の Power-Spot と認定。
感動:温泉を愛する者なら、この幻の様な夢お湯御殿が現在も
湯守の伝導を守りつつあることにキット感動するはずだ。
参照#① 道後温泉 正面玄関 ② 道後温泉浴室「霊の湯」
③ 三階特等室の坊ちゃん団子
リニューアル再掲:伊香保温泉源泉ドーム(伊香保神社隣接源泉公園2008.9.5撮影)
伊香保温泉源泉公園の真ん中に設置された源泉ドーム。伊香保温泉の源泉が肉眼で
観察出来、傍らには飲泉所も設置されこのような源泉を見せる設備は有名温泉地に
は多い。ドームとしては肘折温泉(山形)を想起。まるで、伊香保温泉の心臓部だ。
参照#群馬県 温泉地 データ・ベース
リニューアル再掲: 石段温泉街 (伊香保温泉:群馬県 渋川市 2008.05.09撮影)
伊香保神社から石段は温泉街に続く。榛名山の北東斜面、標高750m。この温泉地は温泉
井戸を中心に計画的に作られた。中央に石段、大堰という湯道を作りの両側の14軒の旅館
に配湯。褐色の名湯がこの旅館街を中心に守られて来た。今から4百年前の計画的温泉街だ。
日本温泉地域資産No.41:「日本温泉地域学会認定・計画的な温泉街・温泉史・温泉文化」
参照#① 九份(チューフェン)石段の温泉街は台湾の台北市郊外の観光地 にソックリ、ここ
も又「千と千尋」のモデル温泉地の一つとしてあげられている。
② 群馬県 温泉地 データ・ベース
リニューアル再掲:日奈久温泉の情緒的な景観 (2008.05.17 撮影)
筆者が九州で最初に本格的温泉探査をした温泉地の街並を懐かしく再掲する。
この温泉地感動の出逢い、種田山頭火の街起こしの軒先の自由律俳句の短冊
が、橋の欄干に括りつけられた種田山頭火の俳句三節 (左.真ん中.右の短冊)
もうこれらの句の解釈など必要ないだろう。人それぞれに思いのまま鑑句す
るのも自由なのだ。一応、筆者なりの思いや作句の背景を簡単に記す・・・。
Ⅰ.左の短冊 『 月澄むほどに われとわが影 踏みしめる 』 山頭火
解釈:なんと直情・情感的な句だろう。ぐんぐん登る月があたりを照らして
月に浮かぶ自分の影を踏み締める如く、自分の心にも滲み込んで来る。
Ⅱ.真ん中柵 『 お月様が お地蔵様に お寒くなりました 』 山頭火
解釈:筆者的に万民を照らす月と自愛の地蔵様の二重のぬくもりを寒くなっ
てきた時候に感じた山頭火と理解
Ⅲ.右の短冊 『 これから旅も 春風の 行けるところまで 』 山頭火
解釈:山口県小郡の仮の宿其中庵から九州へ旅立つときに詠んだ句とされて、
春風とともに歩く旅への期待が感じられる。時は2月九州は初春なり
(過去の記録:2008.05.17)
吉野ケ里遺跡を探査後、今日の羅針盤を何処に向けようか?限られた時間で
多くの温泉地を辿りたい。しかしそこには感動がなければ無意味だ。温泉が
普通でもそこに地域ならではの物語があるなら脳幹は名湯と感ずる筈・・・。
考えた末、八代市日奈久温泉を目指す。天草諸島、水俣を抱える不知火海は
初夏、同じく海岸沿いの温泉地となる小浜温泉(島原半島)は遥か西の空だ。
日奈久温泉の泉質は単純温泉(アルカリ性)16の泉源から毎時140トン湧出。
殆んどの旅館が掛け流し。約600年前、刀傷の父の平癒を祈願し、浜田六郎左
衛門が厳島明神のお告げで干潟の岩下から湯を掘り当てたとされる。その後、
熊本藩直営となり八代城主・松井氏や参勤交替途上の島津氏もよく利用した。
共同浴場:市営日奈久温泉センターの老朽化が進み利用客も低迷していた事
から、八代市は明治時代の観光施設であった「本湯」を模して和風の新施設
を同地に建設中。2009年3月末完成予定。(筆者が訪問の時は更地であった)
参照#① 種田山頭火(放浪の俳人) 探訪紀行 ② 日奈久温泉本湯 (ばんぺい湯)
③ 熊本県温泉地 データ・ベース
Renewal再掲:トムラウシ温泉噴泉塔 2007.8.22取材 (2007北海道道東温泉探査紀行)
函館から北海道に上陸し休みなし走り続けトムラウシ温泉に辿り着いた。この頃は登山を
していないので、ここが大雪山系トムラウシ山の登山道口と気が付かなかった。その登山
口前にこの日車中泊を決めた。就寝前に駐車場前にある温泉探査の目的「噴泉塔」を観察。
記録:トムラウシ温泉の「噴泉塔」は1.4m程。1mを越えて学術的に貴重なものである。
解説:噴泉塔(ふんせんとう)は、石灰の一種。噴泉石炭華塔(略して石炭華塔)とも呼ばれ、
温泉に含まれる成分が空気に触れ、沈殿物(主要成分はタンサンカルシウム・水酸化
マグネシウム )が固まって、長い年月の間に塔のような形状に成長したものである。
参照#① トムラウシ温泉 トムラウシ山登山口
② トムラウシ山(大雪山系)の雄姿(登山道GPS図 )
③ 二回目訪問時、宿泊トムラウシ温泉東大雪荘大浴場
画像リニュアル再掲:二股らぢうむ温泉で遭遇天然記念物猫の置物
(過去の記録:2006.10.11)
二股らぢうむ温泉の玄関に何気に置かれた置物。ふつうの招き猫?
いや、これは世にも珍しい湯の華で創られた置物。この大きさまで
成長する湯の華はザラにはない。珍しい一方天然記念物級が加工さ
れる事に悲しみを覚える。ズシリと重いこの置物は心の重さも現す。
北海道の天然記念物はこの様に加工・展示されてはいけないのでは
参照#北海道、ドーム状温泉析出物で有名な二股らぢうむ温泉
温泉山 永福寺 御宿 温泉閣 【大分県(別府)温泉 探査紀行 2022.06.05】
映像 ⇧ 帰りがけに振り返った永福寺境内の御宿温泉閣(右奥)の佇まい
鎌倉時代に一遍上人が湯治場を開いたのに始まった鉄輪温泉。その一遍上人を祀る
温泉山永福寺境内の奥に「御宿温泉閣」があった。映像の右奥。つまり、鉄輪温泉の
コア的温泉宿に宿泊したことになる。日本一の別府温泉の核心部分・究極の温泉宿。
記録:筆者が宿泊した『御宿温泉閣』は数百年の歴史を経て明治期は宿坊だったと。
その後、一般客も宿泊できる様になり、現在の『御宿温泉閣』となり永福寺
とは親戚筋になるという。まさに、別府市鉄輪温泉のど真ん中の伝統の湯宿。
参照#大分県(別府)温泉探査 紀行
竹瓦温泉 景観 【大分県(別府)温泉探査 紀行 2022.06.04】
別府八湯温泉道 1 番 / 218
竹瓦温泉に辿り着いた。街湯を巡りながらの行程なので、今日は此処の湯は入らず。
この歴史的温泉建造物を鑑賞するだけの事とした。14年振りの竹瓦温泉の佇まいは
変わらぬ荘重さであった。伊予の道後温泉、肥後の山鹿温泉などに通じる浴舎御殿。
参照#①竹瓦温泉の男子湯殿 ②道後温泉本館景観 ③ 山鹿温泉景観
➃大分県(別府)温泉 探査紀行
映像:栗駒山麓奥小安峡の大湯温泉阿部旅館の佇まい。
【宮城・岩手・秋田温泉探査2020 2020.10.6】
花山温泉から栗駒山麓を秘湯を求め走る。目的地は湯浜温泉三浦旅館。しかし、
栗駒山中道路から10分近く歩く事になる。と、その入り口に辿り着きビックリ
温泉は閉鎖中だった。 止む無く、次の目的地大湯温泉阿部旅館に辿り着いた。
記録:湯浜温泉三浦旅館は新型コロナウイルスで営業休止その窮状を救う為に
種プロジェクトに加盟。将来の宿泊料金を今払うことで旅館を救う制度。
参照#種プロジェクト(旅館サポーター制度)
映像:夏油川を挟んで左が女(目)の湯、右が真湯の湯小屋(脱衣場)
【宮城・岩手・秋田温泉探査2020 2020.10 .05】
夏油高原温泉郷の元湯夏油は、複数の湯治建屋と夏油川の露天風呂群が特徴的。
映像は露天風呂真湯と目の湯の佇まい。一見、13年前とは変わらない風情だが
大きな違いが各露天風呂に女性入浴時間帯が設けられた。長閑な混浴が消えた。
参照#①目(女)の湯(元湯夏油 露天風呂) ②真湯(元湯夏油 露天風呂)
映像:トレッキンングも終わり駐車場への帰り道で見つけた歌碑
【山岳トレッキング ⑤高森山 完 2020.5.2】
高森山トレッキングコースの終わり。馬場山コースと合流して浅虫温泉森林公園テニ
ス場の駐車場に下って来た。世界的版画家棟方志功が『海も山も温泉も』といった通
り海を眺めながら山を下った先に、アララギ派歌人島木赤彦歌碑がひっそりと迎えた。
碑文:温泉に入りて 一夜ねむりぬ
陸奥(みちのく)の 山の下なる 入海の音 (島木赤彦)
解説:明治・大正時代の歌人・文人であった島木赤彦。筆者の中ではそんなに重きは
ないが、島崎藤村に傾倒していたこと,浅虫の湯を味わったことが共通の事項。
掲題の短歌は温泉に入り陸奥湾の潮騒を聴きながら安眠熟睡した様が窺がえる。
【静岡県温泉探査・梅ヶ島温泉郷 2019.5.26】
今回の静岡県温泉探査の最終目的は梅ヶ島温泉。いよいよ佳境に入って来た。その核心
である梅ヶ島温泉のシンボルが『湯の滝』今日は特別にライトアップ。湯滝の両側に見
える番号札が源泉を示す。日本でも湯の滝は多数あるがこの様に鑑賞できるのは珍しい。
【DATA】単純硫黄泉 38.2℃ pH9.2 165ℓ/m 源泉:湯の滝周辺①~⑫源泉の混合泉
記録:梅ヶ島温泉湯滝源泉一覧(映像の湯滝の外左側に集中してる)、落差およそ10m
①百合の湯 ②梅の湯 ③黄金の湯 ④虹の湯 ⑤つつじの湯 ⑥岩風呂
⑦銀の湯 ⑧椿の湯 ⑨金の湯 ⑩珠の湯 ⑪紅葉の湯 ⑫山吹の湯
参照#筆者が観察した湯の滝。 ☞ 「日本名滝涼感厳選36滝」の㉝参照
②オンネトー湯の滝 ( 温泉楽園、桃源郷、地質百選 30ⅿ:北海道足寄町)
④カムイワッカ湯の滝(世界遺産知床半島硫黄山一滝20ⅿ:北海道斜里町)
㉗川原毛大湯滝(泥湯地獄噴気帯から流れる硫黄湯滝 20ⅿ:秋田県湯沢市)
㊱震動の滝(名物となった九重夢大橋から眺望大湯滝 93ⅿ:大分県九重町)
国宝瑞巌寺は松島湾の絶景の中に建設されたといっていいだろう。映像の浴室を
よく見てみると、島小島の岩礁を掘って作られているのが分かる。今は使用され
ていないが、近年迄の僧房の浴坊として使用された。温泉研究家には見逃せない。
参照:同じく修行僧の沐浴の場「永平寺沐浴室」
映像:玖珠川と老舗旅館天龍荘の前の道路に挟まれた小さな空間に足湯が。
天ヶ瀬温泉郷は開湯1300年の古い温泉地。そんな温泉地に足湯を見つけた。
いまや「足湯」は温泉地に馴染みの物であるが昭和の時代には少なかった。
近年、湯巡り手形と同様に各温泉地では魅力を引き出すため競って作った。
参照:①日本一の足湯(兵庫県湯村温泉) ②長崎県小浜温泉の日本一の足湯
映像:天ヶ瀬温泉もまた九住山を源流の一級河川を挟んでの温泉街を形成。
九州温泉探査の最終温泉地。九州を福岡県熊本県そして大分県と3県巡る。
ここ天ヶ瀬温泉が今回の終わりだ。玖珠川沿いを中心に約20軒の旅館等が
営業している。今回の2018西日本豪雨では恐らくこの川も怒り狂ったろう。
考察:異常気象が続いている。異常が正常になりつつある地球の気候変動
は我々の環境破壊が由縁だろう。大きいのが、インド、中国の際限
ない環境破壊。しかし産業革命後の地球的規模の化石燃料の消費だ。