映像:訪問時は掃除中だったので社長の許可を得て浴室を撮影。
奥津軽の温泉としては著名な稲垣温泉。旧稲垣村の役場裏にある。地元
では良くマスコミに宣伝しているので知らない人はいない。宿泊客と地
元民が一緒に入る浴室は混み合う時は、そんなに広くないのでやや大変。
【Data】食塩泉 46.3℃ PH7.94 微塩味無臭 源泉:稲垣温泉3号泉
映像:番台に座る経営者、撮影の許可を得て、アリガタイお話を聞く。
旧森田村から数キロも離れていない処に名物温泉がある。光風温泉だ。此処も全国からファンが来る。今日はいつものおばあさんではなく、経営者が座っていた。番台がある公衆浴場は今では珍しい。施設も一昨年新築。綺麗になっていた。廉価な入浴料金(250円)に加え、チケットを再提示出来て、当日であれば何回でも入浴可能だとか。経営者曰く「社会奉仕さ…。」これは温泉天国だ
鳥海山は秋田県と山形県に跨っている。秋田県の猿倉温泉から山形県側
にまわり鳥海ブルーラインの麓に鳥海温泉がある。鳥海山麓南の温泉地。
鳥海温泉保養センターあぽん西浜。源泉の温度が低いので加温して提供。
【Data】食塩泉 37.8℃ ph7.0 源泉:西浜温泉(内湯)
食塩泉 38.7℃ ph7.1 源泉:鳥海源泉(露天)
鳥海山麓には温泉は少ない、その中で日本海の眺望が優れている秋田県側の温泉施設
がフォレスタ鳥海。秋田県の4~5mの積雪地帯では、一番標高が高い温泉地である。
青森県八甲田山麓にも猿倉温泉と言う名の温泉があるが、泉質、湯量、景観が異なる。
【Data】含重曹ー食塩泉 45.5℃ P8.7 源泉:猿倉温泉3号井
雪に埋もれた石像は鳥居の方角を見ていた。人生は物語。皆それぞれ語るものを
持っている。いまは湖面へと続く道しかないが、この御座石神社もい年月で沢山
の事象がある筈。雪に残る足跡の持ち主はどんな物語で湖畔に佇んだのだろうか。
いにしえの鏡の如く深く澄み渡る田沢湖、駒ヶ岳中腹からの景観。それは駒ヶ岳が
己の姿を映すが如く。遠く八幡平山頂からそのように観えるかもしれない。駒ヶ岳
の姿見とでも言おうか。通年で観察した実感だ。・・・・そして湖の辺に大切なものが。
影像:雪空散歩に使われる雪上車、普段はゲレンデ整備に使われる。
晴れた日秋田駒ケ岳は白銀のシルエット。この山腹を雪上散歩できるプランがある。
冬季限定だが、田沢湖高原温泉で行っているのがアルパこまくさから雪上車で田沢
湖スキー場周辺を回遊。眼下に田沢湖、眼上の駒ヶ岳…夏には出来ない雪空散策だ。
鶴の湯をグルリ観察してたら珍しい物を発見。箱にスキーを設置したような箱橇(そり)。
遠い記憶が蘇る。幼児期、近所のお兄ちゃんがこの箱橇に透明ビニールで窓を取付け、
冬の乗り物の様に乗せて貰ったものだ。この箱橇は宿の資材搬送に今も使われている。
乳頭温泉郷湯の沢沿いの一軒宿。ここの特徴はやはり、江戸期の長屋風の宿舎
と混浴露天風呂だろう。乳白色の濁りで女性も抵抗なく入れるのが人気である。
背後に迫る崖と前面の小川に挟まれた景観は日本の代表的な露天風呂であろう。
【Data】 含石膏―食塩硫化水素泉 58.5℃ pH6.49 源泉:白湯(鶴の湯)
参照#① 鶴の湯温泉外観(旧佐竹藩湯本陣跡)
② 秋田県 温泉地 探訪紀行
参考:本物の名湯ベスト100‐7 乳頭温泉郷(講談社現代新書:石川理夫著)
学術:日本温泉地域文化資産No.19伝統的宿舎と泉源露天風呂(日本温泉地域学会編)
雪深い鶴の湯の風情は、まるでタイムスリップしたみたいに郷愁を誘う。一昨年雪崩で
犠牲者が出たが、秘湯を求めて今日もレンターで訪れる人は後を絶たない。人気の宿は
乳頭温泉山深き名泉。都市からの隔絶が売り。指先に触れる真綿の様な雪に我を忘れる。
ドラマ夢千代日記の場面設定では、日本海、芸者置屋(はる屋)、煙草屋旅館(座
敷、玄関、居間、廊下)、喫茶店(白兎)、木原診療所、警察、列車、ヌードスタ
ジオ、川べり、荒湯・・そして温泉街の路地裏。ここで色んな人間模様が展開する。
~夢千代日記脚本より~路地~
粉雪が舞う、石段を夢千代たちが帰ってくる。頭からショールをかぶって
千代春:『いまの刑事さんとちがいますか』
夢千代:『・・・・・・・・』
山根がかけていった方角をみる。
菊奴:『おスミさんに、うどんつくってもらお』
寒そうに裏口に入っていく。千代春もー。
ひとり残って石段のところに夢千代。
夢千代の声:『これから日本海の長い冬がはじまります』
春来川の河原〔荒湯近辺〕には湯村温泉を訪れた著名人、文化人の手形が飾られている。
その中で目を惹くのが、やはり吉永小百合の手形。役柄は余命いくばくも無い原爆症の
芸姑を演じているが本人はいたって健康だったそうで手形もフックラ可愛いものである。
直筆の「夢一途」は吉永小百合そのものだ。
ドラマ夢千代日記は温泉街、温泉芸姑の話なのに入浴シーンが少ないというか殆どない。
主人公吉永小百合の入浴シーンも終になかった。代わりに次の様な切ないシーンがある。
~続夢千代日記脚本(シナリオ)~野天風呂より~
(湯につかっている小夢。そばに俊子(14歳)もつかっている)
小夢:『どう温まった』
俊子:うなづく
(湯気がもうもうとあがっている。その湯気の中に俊子が立つ)
小夢:『?!』
俊子:『わたしのからだきれい?』
小夢:『え、うん、きれいだ』
俊子:湯に裸身を沈める。
小夢:『なんでそんなこと聞くの?』
俊子:『きたないのかと思って……』
小夢:『・・・・・・』
俊子:『男の人は、からだをあげないと、ほんとに愛してくれないんでしょ』
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戦後、少しづつ自由を手にし始めた乙女達、しかし富める者と貧しい者とまだ格差があ
った。そんな中、男と女の情愛は確実に進化し始める。時代は緩やかに豊かさを獲得し
つつある中、湯の街は歓楽の象徴であった。この物語が描かれた時は今から25年前、脚
本家早坂暁は社会的にも、精神的にも、肉体的にもか弱い女を演出したのだろうか?現
在は堂々と「品格」を語る程女性の地位は向上した。
参照#夢千代像(兵庫県湯村温泉)
吉永小百合:筆者は幼少期、吉永小百合を生家の前で目撃している。父は当時16歳の
ビックスターを岩木神社境内を案内したとの事。日活映画『草を刈る乙女』で、
青森県岩木山山麓にロケに来たのである。そんな彼女も今では清純派女優とは言
えない。北の零年、母べえでは女、母、そして人間を演じきる大女優と成長した。
参照#「草を刈る娘」の作家石坂洋次郎文学碑ー青い山脈
地下風呂:川沿いの旅館には地下に洞窟風呂のような熱風呂が存在する
~~夢千代日記の脚本の一部~~
『湯の里温泉で:朝遅い温泉の町。
町の中を川が流れ、その川べりに熱い蒸気が噴出している。
夢千代がその蒸気で卵を茹でている。
近所の女が野菜を手にやってくる
夢千代:おはようございます
夢千代の声:『12月21日小雨、気温8度、眠り浅く手足がだるい・・・』
脚本のそこかしこに、重い病の兆しが・・・夢千代は原爆症性白血病(余命3年)という設定。