温泉につきものの『猫』伊東温泉でも姿を見ることができた。
夕闇に溶け込むような、黒い猫。温泉街では珍しい。泉研の
仲間、下風呂温泉若女将のも黒猫、なかななか美人さんだ。
参照:下風呂温泉まるほん旅館若女将の飼猫(招き猫)
この文学の路はさしずめ杢太郎道路だ。松川対岸に温泉街を見ながら
の散策は懐かしい昭和に戻った気がする。湯の街のもう一つの楽しみ。
もう一人ゆかりの人、室生犀星の詩。
じんなら魚
『伊豆伊東の温泉(いでゆ)に じんならと云える魚棲みなり
けむり立つ湯のなかに 己れ冷たき身を泳がし あさ日さす
水面に出でて遊びけり 人ありて問はばじんならは悲しと告げむ
己れ冷たく温泉(ゆ)はあつく されど泳がねばならず
けぶり立つ温泉(いでゆ)のなかに棲みけり』
解説:犀星が大正12年34才の時伊東温泉を訪れ、浄の池で「じんなら」を見て、湯けむり立つ池の中で必死に泳ぐじんならを我が身にたとえて詠んだ詩とされる。
いまでも『じんなら』の魚影を松川に見ることが出来るとか。
伊豆半島の温泉。今回は伊東温泉を探査。熱海と並ぶお湯どころ。昔からの温泉地だ。
『♪伊東へいくならハ・ト・ヤ・・・』とテレビコマーシャルを見た中年層も多い筈。
いまもハトヤは健在である。本当は温泉街が川沿いにあるゆったりした温泉郷である。
【DATA】 単純温泉 26.3℃ PH8.6 源泉:松原25号泉(自家源泉)
参考:本物の名湯ベスト100の53位伊東温泉(講談社現代新書:石川理夫著)
学術:日本温泉地域文化資産No.81松川河畔の伝統的旅館群(日本温泉地域学会編)
閉館:2022年現在、閉館中、現地情報によると建物全体に足場が掛かられている
宇治川のほとりに佇みいにしえの文化が漂う屋敷の構え。安土桃山時代を思わせる。
此処は桃山の地豊臣秀吉のゆかりの地、静かな川の流れが往時の気配をしのばせる。
【Data】単純硫化水素泉(含メタケイ酸) 19.8℃ 源泉:桃山温泉
記録:ここは日帰り入浴とは行かない嵐山温泉同様食事込。もしくは宿泊が必要だ。
つかの間の京都、旧正月の参賀に平安神宮へ立寄る。平安神宮と言えば、
矢井田瞳、森山直太郎、東京スカパラなど野外コンサートが思い起こさ
れるがやはり、祈りの場所だ。夕刻迫る頃は闇の神が周辺に舞い降りる。
社格:官幣大社 祭神:桓武天皇、孝明天皇 指定:重要文化財(大極殿他)
野沢温泉中心部源泉公園にあるスパリゾート施設。13の外湯とは違い、隣接
するスキー客を見込んでのものだ。しかし、入館料1000円と高い割には泉
質がいまいち、源泉志向の筆者には受け入れられない。露天風呂が救いである。
【Ⅾata】硫黄泉 77.6℃ PH8.8 源泉:麻釜
その後:温泉健康館は無くなり、麻釜温泉公園「ふるさとの湯」がオープン。
この共同浴場は江戸末期に開発された温泉。流石に13浴場の湯めぐりはきつい、
だんだん身体がへたってくるが折角なので頑張りで入湯。次回はのんびり湯治。
【Data】含芒硝・石膏ー硫黄泉 81.9℃ PH8.5 源泉:茹釜・下釜混合
外湯:大湯(単純硫黄泉)、松葉の湯(含石膏・食塩)、秋葉の湯(含芒硝・石膏)、
中尾の湯(含石膏・食塩)、新田の湯(含芒硝・石膏)、十王堂の湯(含石
膏・食塩)、横落の湯(含石膏)、熊の手洗い場(含石膏・食塩)、上寺湯
(含石膏・食塩)、麻釜の湯(含芒硝・石膏)、河原湯(含石膏・食塩)、
真湯(単純硫黄泉)、滝の湯(含石膏・食塩) の13の外湯がある。
四条~三条へ抜ける、橋の袂に弥次さん喜多さんの像がある。
東海道五十三次の出発点の三条に架かる橋が「三条大橋」だ。
鴨川沿いに散策する人も春の陽気とともに増えてくるこの頃。
十返舎一句の東海道中膝栗毛弥次喜多道中には清水寺に詣で、
三条大橋付近に宿泊した面白い話が記述。三条大橋が駅伝の
発祥地とは知る人も少ない。歴史が詰まった土地柄故の話題。
拘らず路地裏に入ると静かな佇まいが旅人を迎え入れてくれる。
四条高瀬川沿いをゆるゆる歩く、小奇麗な小料理屋さんがある。
『かわら林』夫婦二人で営んでいる小さなお店。穏やかな高瀬川
のセセラギの傍で本格的京懐石をリーズナブルな価格で味わう
春は舌からも感じられる。いにしえの京おもてなしに暫しユルリ。
閻魔堂の前にある二階建の施設。名前も閻魔堂の十尊からきている。今
回の外湯巡りでは村民が一番多く利用。共同浴場は地元民との触れ合い。
【Data】単純硫黄泉 78.2℃ PH8.8 源泉:麻釜・湯野の宮混合泉
外湯:大湯(単純硫黄泉)、松葉の湯(含石膏・食塩)、秋葉の湯(含芒硝・
石膏)、中尾の湯(含石膏・食塩)、新田の湯(含芒硝・石膏)、十
王堂の湯(含石膏・食塩)、横落の湯(含石膏)、熊の手洗い場(含
石膏・食塩)、上寺湯(含石膏・食塩)、麻釜の湯(含芒硝・石膏)、
河原湯(含石膏・食塩)、真湯(単純硫黄泉)、滝の湯(含石膏・食塩)
の13の外湯{()+単純硫黄泉}がある。
大阪から京都、今日は京都のビジネスホテルで就寝。
夜の京都タワーはお馴染みの勇姿。ここだけが夜間
照明の京都の夜。古都にはちょっと違和感があるが。
記録:一日平均乗車人員 460,290人(2015年)
近畿日本鉄道101,705、JR西日本200,044
京都市営地下鉄121,475、JR東海37,066
温泉街から外れた場所に位置する。13の外の中では真湯についで筆者の好
きな施設。野沢温泉の宿泊者はこの13の外湯に入れる。小さな湯船には
高温の硫黄泉が注ぎ込まれ、必要に応じて加水が可能だがかけ湯がお勧め。
【Data】含石膏・食塩ー硫黄泉 82.4℃ PH8.8 源泉:麻釜
外湯:大湯(単純硫黄泉)、松葉の湯(含石膏・食塩)、秋葉の湯(含芒硝・
石膏)、中尾の湯(含石膏・食塩)、新田の湯(含芒硝・石膏)、十
王堂の湯(含石膏・食塩)、横落の湯(含石膏)、熊の手洗い場(含
石膏・食塩)、上寺湯(含石膏・食塩)、麻釜の湯(含芒硝・石膏)、
河原湯(含石膏・食塩)、真湯(単純硫黄泉)、滝の湯(含石膏・食塩)
の13の外湯{()+単純硫黄泉}がある。