奈良吉野山の伽藍と言えば金岑山寺(きんぷせんじ)。全山桜の木の中に
忽然と大伽藍が現れるが如し。国宝の蔵王堂が自然に溶け込んだ様はこの
寺の生立ち、修験道そのものではないか。山岳信仰のスピリチュアル体感。
宗派:金岑山修験本宗 寺格:総本山 本尊:蔵王権現三躰 開祖:役小角(伝)
指定:国宝(本堂(蔵王堂)、仁王門、大和国金峯山経塚出土品 他 )
重要文化財(銅鳥居、木造蔵王権現立像3躯 他)、世界文化遺産
≪研究速報:平成28年度調査・研究報告書(ひろだいリサーチ)2017.9月末 ≫
筆者が副理事長を務める「ひろだいリーサーチ」の平成28年度調査報告書が纏まった。
この研究は平成28年10月から平成29年9月までの一年間、公益財団法人みちのく・ふる
さと貢献基金の資金提供で実施した。事業名移動販売車による買物弱者支援の動向調査
概要:『移動販売車による買物弱者支援の動向調査』 全66頁 ( H28.10.1~29.9.30)
調査レポート記述順で以下に概要紹介
調査研究者名・・・佐々木純一郎 6頁(弘前大学大学院地域社会研究科 教授)
深浦町における住民生活の変化と移動販売
①はじめに ②インタビュー記録 ③おわりに
≪インタビュー小見出し≫
●高齢化よりも深刻な社会現象
●町づくり応援隊の背景にあった誘致企業の役割
●町外地域づくり団体との連携
●女性の社会進出と住民による直売所
●移動販売に対す二つの見方・旧岩崎村との合併
●ビジネスと社会貢献の双方が求められるコミュティビジネス
井上 隆 21頁 (青森大学総合経営学部 教授)
買物弱者支援手段としての移動販売車―有効性と持続可能性ー
①問題提起 ②現況と課題、利用状況 ③役割と機能(事例)
④諸特徴と諸課題、持続可能性(結びの代えて)
谷口 清和 24頁 (温泉地活性化研究会 代表)
移動販売車による買物弱者支援の動向調査報告書
①県庁生協本部調査(29.6.2) ②深浦・岩崎地区調査(29.6.23~4)
③四国先進地視察・ヒアリング(とくし丸、セブンスター29.7.7~11)
④㈱よこまちストア調査(29.7.19)
⑤谷口コメント (分析・課題・提案)
竹ケ原 公 15頁 (NPO法人ひろだいリサーチ 理事長)
移動販売車による買物支援の動向から見えてくる「地域づくり」
①高齢化の進行と買物弱者の動向・その支援策
②青森県内における買い物弱者の状況
③移動販売車による買物支援 ④深浦町の取り組み
⑤移動販売の課題と買物弱者支援の課題
開催:合評会・・・12月に予定。本研究調査の社会的意義・今後の取り組みなどを研究者を
交えてセミナーを開催。ひろだいリサーチ会員および、本調査に興味の
ある方の参加を期待しております。 (会場は弘前市内を予定)
参照#現地調査・・・徳島県とくし丸・愛媛県セヴンスター
事業実施団体:特定非営利活動法人ひろだいリサーチ(事務局:弘前大学大学院地域社会研究科内)
≪速報:ユネスコ無形文化遺産八戸三社大祭山車(十和田市) 2017.9.24≫
青森県十和田市で「あおもり10市大祭典」が開催された。八戸市の出し物が
今年世界文化遺産に指定された「八戸三社大祭」。ユネスコ無形文化遺産指定後
に始めて鑑賞した。映像は今年三社大祭で「優秀賞」の吹上山車組「~初夢狂言
一富士二鷹三茄子~矢の根五郎と七福神」歌舞伎十八番の内の矢の根の場面。
鑑賞:日本の道百選「十和田市官庁街通り」松並木に映える八戸三社大祭山車
ユネスコ無形文化遺産:国の重要無形民俗文化財33件山・鉾・屋台行事(京都祇
園祭や博多祇園山笠、唐津くんちの曳山行事、八戸三社大祭の山車行
事等国内18府県33件)が2016年にエチオピア(アディスアベバ)で登録された。
映像:奈良県吉野山中にある勇壮な修験霊場:金峯山寺(きんぷせんじ)
世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一つとして指定された。
熊野三山・高野山に対する、奈良県側の伽藍指定である。吉野山の
華やかさは修験道を更に高みに押し上げ高野山・熊野と比して陽だ。
宗派:金峯山修験本宗 寺格:総本山 本尊:蔵王権現三躰
開祖:役小角(伝)
指定:国宝(本堂(蔵王堂)、仁王門、大和国金峯山経塚出土品 他)
重要文化財(銅鳥居、木造蔵王権現立像3躯 他)、世界遺産
参照:熊野本宮大社(和歌山県紀伊山地)
映像:吉野山の中心部金峯山寺伽藍から眺めた吉野山景観
吉野山は世界遺産金峯山寺を中心とした社寺が点在する地域の広域地名。
古くから花の名所として知られている。桜の木が多いのは金峯山寺のご
本尊蔵王権現ご神木とされている事から沢山植えられたとの伝承がある。
吉野山を抜けいで湯に辿り着く。山里の静かな旅館。この宿ならゆっくり書き
物もできるだろう。名文が浮かばなかったら筆を置いて湯浴みをするのも良い。
【Data】含炭酸ー食塩泉(冷鉱泉) 12.7℃ PH6.4 源泉:吉野温泉元湯
評価:源泉温度が12.7℃と冷鉱泉であるが、吉野の山里の自噴泉は景観・風致
を考えれば名湯だ。島崎藤村ゆかりの宿として開湯300年を誇る。藤村
が女学校の教師をしていた頃、女学生との失恋の傷を癒すため、訪れて
「訪西行庵記」等作品を残す。 下記は其の最終節文
『・・・やがて宿にかへりて旅燈のもとにひとり故人のふみをひもとき、月
花を友として禽獸のそしりを免かれんと思ふのみ 明治廿六年仲春誌之・』
解説:文中の「禽獣のそしり」とは当時、女学生との恋愛感情を悔いたものな
のか、いづれにせよ、島崎藤村は女学生との恋に破れ、教師を辞めしば
らくこの吉野の宿に投宿し、文筆活動をしたのであった。藤村22才の春。
吉野温泉元湯の案内文に「花の吉野山、人里離れた一軒宿 文人・修験者に
長く愛されてきた吉野の隠し湯」とある。この宿に一か月以上逗留したのが
島崎藤村である。筆者が心奪われた詩人・文学者。そのゆかりの宿を訪ねた。
記録:島崎藤村がこの宿を訪れた時は明治女学院の教え子佐藤輔子との情愛
に悩んでいた頃だ。藤村20歳、輔子21歳。この情愛の作品が 「初恋」 。
詩集若菜集に収められた詩文に胸を震わせた我青春を懐かしく回想す。
詩文:島崎藤村「若菜集」初恋より
『まだあげ初(そ)めし前髪(まへがみ)の
林檎(りんご)のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛(はなぐし)の
花ある君と思ひけり・・・』
感慨:筆者は大学で島崎藤村の研究で知られる伊東一夫教授のゼミで島崎藤村
の「夜明け前」の講座を受講。しかし、苦学生時代であり、憧れの藤村
の足跡を辿ることは叶わなかったが、今回漸く藤村の足跡の一端を辿る。
考察:島崎藤村もまた生立ちから悲劇を背負っていた。父の近親相姦(姉)と
藤村自身も姪と関係を結ぶなど明治にあっては不義密通の呪われた家系
。また、尊敬していた北村透谷の自殺が彼の文学活動に大きく影響した。
大作「夜明け前」の深く重々しい筆致はこれらが反映されたのだろうか。
参照#①島崎藤村ゆかりの小諸の布引温泉 芸術&温泉文学者 探訪紀行
吉野と言えば全山桜の吉野桜。日本の桜の名所。その玄関口がこの駅。
約3万本の桜が咲き乱れる光景を想像しながら駅構内に建つ。ピーク
時一日2万人、約40万人の花見客の殆どがこの駅を利用する花見の駅。
記録:一日平均乗車客449人(2015年11月) 車両:近鉄6200系(6213)
温泉探査の途中、柱状摂理の岩壁がむき出しになっているとんがった山を発見。
胸元に甲冑をまとっている野武士のような姿だ。この荒々しい姿で関西方面で
は山好きの間で、結構人気なのだそうである。曽爾村室生火山群の有名な鎧岳。
参考:奈良県・県道81号線を三重県方面に走る。鎧岳左後方にチラッと見える
のが兜岳(920m)、地元で鎧岳とペアで親しまれている山なのだそうだ。
記録:標高893.9m 室生火山群山系
奈良県で温泉らしい温泉に入湯。曽爾高原温泉お亀の湯。流石
公設の立派な施設だ。低温の温泉が多い中ここは42.5℃で湧出
量も十分。食事もできることから、地域民に人気の施設である。
( ↓ 鎧岩を背景の露天風呂景観・・・公式HPより)
【DATA】重曹泉 46.3℃ PH8.6 150ℓ/ⅿ 源泉:曽爾高原温泉
参照#露天風呂の背景となっている鎧岩(奈良県宇陀郡曽爾村)
三重県は温泉県ではないが、県内にはそこそこ温泉地が点在している。
その中の名湯とされるのが、赤目温泉山の湯、湯元赤目山水園。施設
の佇まいが、室生赤目青山国定公園周辺とあってなかなか趣きがある。
【DATA】単純弱放射能鉱泉 16.3℃ PH 6.4 5マッヘ 55ℓ/m 源泉:赤目温泉 山の湯
≪入浴速報:極湯秘湯 八甲田温泉(青森県 八甲田山)2017.9.16 3回目≫
温泉達人が選んだ2015青森県ベスト10-10 は八甲田温泉の龍神の湯
青森県4日目の宿ともなる八甲田山中の温泉:遊仙の絶景露天風呂。
八甲田山中にある露天風呂は少ない。そのなかでも八甲田山主峰を
望む事が出来るのが唯一この露天風呂である。絶景山岳露天風呂
【Data】
1:含芒硝-石膏泉 64.5℃ PH6.99 龍神の湯(内湯・露天)
2:含硫黄・カルシウム・アルミニュウムー硫酸塩・塩化物泉39.8℃ PH2.38 八甲田元湯(露天)
3:含二酸化炭素・硫黄-カルシウム・アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉35.9℃ ㏗2.49みるくの湯
参考:他の八甲田山中の露天風呂がある温泉
北八甲田:城ケ倉温泉、猿倉温泉 東八甲田:深沢温泉 西八甲田:青荷温泉
記録:2017.5.1営業再開 昨年湯温低下掘削工事。心配したが湯勢は元通り。
心配:上記は2017.5.18のものだが2017.7.24現在、竜神の湯の湯温低下及び、
湯の花が薄い。これは昨年の湯温低下時にも見られた現象で心配である。
いよいよ三重県の温泉地巡り開始。先ずはルート沿いに見つけたのが
香落渓温泉。代表的な施設が青蓮寺湖(ダム湖)の絶景を背景に営業の
青蓮寺レークホテル。露天風呂から青蓮寺湖景観を楽しむ事ができる。
【Data】単純放射泉(冷鉱泉)14.5℃ PH9.5 ラドン(1.98M・e/㎏)
源泉:香落渓(こおちだに)温泉
鑑定:いわゆる伊賀の国の温泉。この地域は高温泉が少ない。如何に
も忍者の郷らしく冷鉱泉に修行宜しく浸かったのだろう。現代
は加温という事で簡単に入れるのだが・・・景観を優先し名湯判定。
映像:名古屋城よりも高層な名古屋の新しいランドマーク「JRセントラルタワーズ」
愛知県名古屋市の鉄路玄関JR東海名古屋駅。名古屋名物モーニングセットを食べた後、
繁華街を抜けたら目の前に開けた光景。名古屋駅で途中下車はなかなか出来ないので
朝のこの景観は貴重なシーン。 筆者はここで新幹線で来た温泉評論家i・M氏と合流。
記録:JRセントラルタワーズは 2000年オープン。245㎡の高さは名古屋城に次ぐ
名古屋のシンボリックな存在として市民にしたしまれている。駅自体が町だ。
記録:一日平均乗車客JR204,509人、あおなみ線14,817人、地下鉄184,554人(2015年)