筑後平野6湯目。入浴も混み合う時間帯ながら幸いにもゆったり入浴可能だ
独占気味に内湯、露天風呂を楽しむ。「献上の湯」の名の通り、江戸時代に
多くの大名が利用したとか・・・。単純温泉ながら微硫黄臭の綺麗な美肌の湯。
【Data】単純温泉 37.5℃ PH9.3 220ℓ/分 源泉:献上の湯(996湯目)
耳納(みのう)山中腹のみのう温泉から平野部にくだって出逢うのが笹の湯温泉。
社会福祉法人が経営している施設らしく至る所がバリアフリー化されている。レ
ストラン&パン工房等が併設。この露天風呂の佇まいは温泉を楽しむ空間だった。
【Data】含重曹‐食塩泉 55.6℃ PH8.3 200L/min 源泉:笹の湯(995湯目)
浴感:社会福祉法人の運営なのでもしや循環消毒と覚悟していたのだが、入浴感
は全く逆。完全に源泉掛け流し。さすが、温泉州九州らしいお湯の提供だ。
楽しい温泉探査はあっという間に時間が過ぎる。今回は周到な計画で丁度昼時に
この施設に辿り着くように計画。実は温泉よりも眼下の筑紫平野の大パノラマを
観ながら食事を頂く人が多い。しかし、耳納山麓高台の展望露天風呂は景観抜群。
【Data】単純温泉(弱アルカリ性) 50℃ PH7.7 源泉:みのう温泉(994湯目)
浴感:本日4湯目ともなれば流石に泉質を味わうのはやや困難、こんな時は綺麗
な源泉と、眺めの良さが脳髄に温泉の特徴を刻み付けてくれる。GOOD ❢
記録:本施設は温泉(日帰り、家族風呂)を経営しているが、展望レストランで
ランチも提供して、その料理は「女子力が高い」と若い女性に人気である。
筆者はお昼なので、軽く味噌野菜うどんをゲット。クオリティが高かった。
築後川沿いの吉井温泉。その駐車場の一角に昔懐かしいボンネットバスがあった。
よく見るとナンバープレートが生きている。現役だ。この様なバスは記憶にある。
遠い昔(幼稚園?)に田舎のおんぼろバスが坂道でエンストして皆で押した記憶。
福岡県筑後川沿いの三名湯の内の一つ吉井温泉。そのユニークな浴室は一瞬銭湯
壁画を想起させるが温泉は紛れもなく名湯だ。マグネシウムイオンが多いので鉱
物色を呈す。筆者はこの様な重曹泉が大好きだ。東鳴子の味噌汁の湯を思い出す。
【Data】重曹泉 46.1℃ PH6.54 源泉:吉井温泉(993湯:2018.5.26)
参照#味噌汁の湯(宮城県東鳴子温泉 まるみや旅館 )
名湯の里原鶴温泉の代表的な温泉を味わう。建物、管理、おもてなし全てが行き届いて
いる。ホテルの4階Hinoki(檜の露天風呂)からの筑後川の眺めは絶景であった。温泉
評論家が監修したHPに「・・・源泉ならではの湯の香・・・本物の温泉・・・」と記載されていた。
(原鶴温泉郷は筆者二回目の訪問)
【Data】単純硫黄泉 58℃ PH8.7 200L/ⅿin(動力) 源泉:原鶴温泉六峰の湯
ラドン8.6×10-10 Cⅰ/kg (2.3M・E) 微硫黄臭
参考:本物の名湯ベスト100-98 原鶴・筑後川温泉(石川理夫著:講談社現代新書)
映像:原鶴温泉の代表的な温泉宿:六峰館から望む筑後川の景観
九州北部の大河:筑後川は阿蘇山を水源として筑紫平野を貫流する。
これだけの大きな川の流域に名湯が湧いているのもまた自然なこと。
筑後川温泉、原鶴温泉、吉井温泉と趣きを異にする名湯の里を歴訪。
いよいよ九州温泉探査の始まりだ。博多空港でレンタカーに乗り換えて
福岡都市高速~九州自動車~大分自動車道杷木ICを降りて、さっそく
筑後川沿いに湧出する絶品湯の虹の宿ホテル花景色(虹の湯)を味わう。
【Data】単純温泉(アルカリ性) 42.5℃ PH9.1 源泉:虹の湯 (992湯目:2018.5.26)
記録:虹の宿ホテル花景色には本館と別館(大露天風呂・家族風呂)が
あるが、当館オーナーの案内で豊富な湯量の大露天風呂を味わう。
参考:本物の名湯ベスト100-98 原鶴・筑後川温泉(石川理夫著:講談社現代新書)
下北半島を下風呂温泉を目指して北上。途中、むつ市内で一献傾けた居酒屋の壁に
掲げられていたのがこの色紙。関西中心の山頭火が下北半島に来たとは信じがたい。
敢えて言えば、途中日本一の菜の花畑(横浜町)があるからこの色紙なのだろうか?
「こぼれ 菜の花も をさない おもいで」(種田山頭火)
下北路で偶然(必然?)に遭遇した山頭火の色紙。運命的であった。人生一切無駄
なものは無い。この時間、この場所、この色紙。それは山頭火を追っていた筆者に
偶然と必然を運命という言葉で絡めてしまう。そして恐山に向かうと山頭火の最後
の句(山頭火が俳句集で公表された最後の句)が宇曽利湖・大尽山の青空に浮かぶ。
「 もりもり もりあがる 雲へ歩む 」 (種田山頭火)
参照#①種田山頭火(放浪の歌人)探訪紀行
②恐山・宇曽利湖・大尽山・極楽浜・霊魂遭遇・三途川・太鼓橋
JR博多駅前にある芸術作品およそ3億円ともいわれるヘンリー・ムーアの作品。
この作品も原型を基に世界中に設置されている作品である。ムーアの特徴は人
体を抽象化するものだが、本作品は丸みを帯びた重量感溢れるもので仄々鑑賞。
参照:山梨県立美術館展示ヘンリー・ムーア作「四つに分かれた横たわる人体」
映像:早朝のJR九州博多駅は小雨模様で迎えてくれた。博多節舞姿銅像前撮影
山口県の温泉地探査(湯田温泉、長門湯本温泉)を無事終了し、新山口駅前の
ホテルで宿泊した後翌日は九州温泉探査の為博多駅に向かう。新幹線だと七時
頃で間に合うのだが、山陽本線でのんびり鉄旅を味わいたく五時半の鈍行乗車。
記録: 一日平均乗車人員218,142人{JR九州121,370人(2016年)
、JR西日本20,406人(2015年)、地下鉄76,366人(2016年) }
路線:九州新幹線、山陽新幹線、鹿児島本線、福北ゆたか線、地下鉄(空港線)
福岡県博多駅構内で目撃した九州新幹線さくら405号。鹿児島中央駅行。
九州新幹線も速い、博多から鹿児島まで一時間半強で到着する。九州の
旅も鉄路が楽しい時代となった。JR各社と連動した割安ticketが欲しい。
記録:最高速度は時速260キロ。熊本まで7,460円。鹿児島中央18,900円
実感:羽田から先割格安航空券で鹿児島まで12,000前後で行ける時代に
博多から18,900円という料金は旅する者になかなか乗れない料金。
参照:北の新幹線 JR東日本新青森駅の新幹線はやぶさ4号
JR九州が誇る特急列車。今回は福岡県小倉駅で乗り換え乗車。JR西日本から
関門トンネルを抜けて九州に入ると日本列島を突き抜けた感じがする。本州で
は見慣れないブルーメタリックの車体にますます火の国熊本に近づいた感じだ。
記録:制御振子式車両(曲がり角で遠心力を軽減、スピードと乗り心地を両立)
起点-博多・中津沢、終点-大分、佐伯、中津沢、路線-鹿児島本線、日豊本線
≪速報:美味三昧 深浦マグロステーキ丼(青森県西海岸深浦町) 2018.6.28≫
青森県では深浦町がマグロ水揚げ量がナンバー1だそうだ。とかく、マグロと
言えば『大間のマグロ』のイメージを打ち破ろうとして開発されたのが『深浦
マグロステーキ丼』。このメニュー自分で焼いたり好み通りに食べるのが人気。
食味:今回、役場の食堂を利用して、「マグステ丼」限定メニューをゲットだ。
刺身、片焼き、両面焼き毎に小さな丼3個あり、それぞれ、タレ、具材
が異なる。最初に野菜焼きから始めて後はお好みで食べる。結構満腹だ。
参照#①大間のマグロで有名な大間マグロ丼(下北半島大間崎)
②新ご当地グルメネットワークあおもり(S-1)の田子ガーリックステーキごはん
長門湯本温泉に来たもう一つの目的は童謡詩人の金子みすゞに触れること。
金子みすゞは長門湯本温泉のもう少し先の仙崎が生誕の地で記念館もある。
しかし温泉街には石碑やそれらしきものが無く漸くモザイク画詩文に接す。
詩歌:「こだまでしょうか」
遊ぼうっていうと、遊ぼうっていう
馬鹿っていうと、馬鹿っていう
もう遊ばないっていうと、もう遊ばないっていう
そして、あとでさみしくなって
ごめんねっていうと、ごめんねっていう
こだまでしょうか、いいえ、誰でも。 (金子みすゞ)
鑑賞:なんて素直で、正直で、透明で、優しくて、純心で無垢なことばを
繰り出す人なんだろう。金子みすゞの詩は一貫してこの清らで涼や
かで、ほのぼのした言葉で溢れている。心がポワ~ンと解放される。
追想:帰りの列車の関係で、金子みすゞ記念館まで行けず、長門湯本温泉
でなんとか金子みすゞの影に接したく探した結果、映像のモザイク
画の民家を音信川沿いに発見。電車を乗り継いで来たかいがあった。
記録:この民家のモザイク画は、「みすゞ燦参sun実行委員会」が新名所
づくりを目指す「プロジェクトⅯ」の一環として制作されたものだ。
縦3メートル、横9メートルの壁画で、1枚1枚に観光客や市民が
メッセージなどを書き込んだ仙崎名物の蒲鉾板を8,000枚填め込んだ。
参照:金子みすゞ生誕の地仙崎にある金子みすゞ記念館(金子みすゞ記念館HP)
( 2018年 山口県 温泉観光紀行 完 )