温泉番付は近代、現代とも東西の温泉地を相撲の番付表に模して作られている。
現代はわが師、山村順二先生のものが認められる (草津市温泉博物館収蔵掲示)、
今般東鳴子温泉で凄い番付を発見した。温泉ライター八岩まどか氏の温泉番付。
女性温泉ライターで著名な八岩まどか嬢、同じ学会、温泉仲間でもあるが彼女
の温泉番付には参った。青春18というJRの人気商品と現代の温泉地を物差
しにして彼女の視点が入った番付。この中で小生も激賞する鹿児島市と青森市
の温泉銭湯をさりげなく『小結』に認定している。因みに、この温泉番付表で
は東の横綱が『鳴子温泉』(納得!)、西の横綱が『別府八湯』(これ又納得!!)
「旅の手帳」付録であるこの番付表の条件 ・・・①正真正銘の温泉であること
②JR (青春18)を利用して行けること ③駅からバス30分程度で行けること
サア皆さん、皆さんご自身の温泉番付はどうなります?
参照#① 日本列島 温泉地 データ・ベース
② 青森市(世界遺産縄文の街)温泉紀行
映像:ベストウェスタンホテルから見た駅前、右が駅ビル&JR弘前駅。(2008.9.14)
弘前駅前はチョット都会の雰囲気。ビジネスホテルは気になるけど青森県で一番シンプル
&オシャレな駅前景観。今日は此処の一角ベストウェスタンホテルのカクテルパーティに
突撃。文化の街弘前の催事。華やかな女性たちの、思い思いのカクテルドレスに酔う一夜。
記録:地上駅(橋上駅)2面3線、乗車客4,497人/日(降車客含まず)、奥羽本線(五能線直入含)
映像:循環方式ながら好いあんばいの湯状態を提供している。
平川市の南外れ、国道7号大鰐沿いにオープンしたのが『花の湯』。当初は混雑して
入る気持ちにならなかったが漸く入湯を果たした。低温で沸かしが必要だが、よく湯
管理ができていて、温泉気分を味わえる。露天風呂に信楽焼の湯壷が設置されている。
【Data】 単純温泉 36℃ pH7.0 源泉:長田温泉 (再分析)445ℓ/m
晩秋の弘前城は淋しさの中に幽玄の美がそこここに確認できる。ここは心の
奥座敷だ。ここに立つといつも津軽の懐かしい匂いが漂う。この素晴らしい
空間がいつまでも保全・保存される事を願いながら、今日も寛ぎ、逍遥する。
記録:弘前城は往時の城割がほゞその儘残るお城として全国でお貴重なお城。
全国凡そ300ある中で12のお城しか江戸時代の現存天守閣がない一つ
でも貴重なお城。弘前市民が、明治以降様々な努力をした結果である。
参照#弘前城(津軽藩)探訪紀行
鎌先温泉の中にあって『秘湯を守る会』会員。貸切状態の浴室は期待通り
の源泉が満たされていた。熱交換で温められているものの、奥羽の薬湯と
しての伝えは今につながる名湯であると感じられた。
伝説:キコリが水を求めて沢辺に下り、鎌の先で木の根岩角をかき分けた
ところ、温泉が現れた。以来鎌先温泉と言われたとのこと。
【Data】含芒硝ー食塩泉 36.8℃ pH7.0 源泉:三宝風呂(自家源泉)
映像:一条旅館の源泉風呂(内湯薬湯)の景観(公式HPより転載)
帰路、まっすぐ帰るのはもったいない、またちょっと寄り道。鎌先温泉の
風情ある佇まいと源泉風呂を味わいたくて立ち寄る。知人でもある一条旅
館の女将があいにく不在。二代目らしき若旦那と立話の後、名湯を味わう。
【Data】含芒硝ー食塩泉 26.7℃ pH7.0 源泉:鎌先の湯
学術:日本温泉地域文化資産NO.35 伝統的旅館街(日本温泉地域学会編)
映像:近世の面影を再現した共同浴場「さはこの湯」(by公式HPより)
東北地方で唯一「古泉」とされるいわき湯本温泉、東北といいながらもう関東に近い場所柄、
なかなか東北の名湯には上げられない。しかし歴史と言い温泉概容といい名泉・名湯として
小生の温泉ファイルに分類。ここはかなり混み合うので、入浴時間を工夫して挑戦されたい。
【Data】含食塩ー芒硝泉 59.7℃ PH7.6 源泉:常磐湯本温泉 湯本温泉源泉
小名浜港に近づくにつれ海岸の波間に人影が目立つようになった。オットセイともアザラシとも思われる黒い影。この地域は温暖な気候で、サーフィンに適する海岸通り、「東北の湘南」とも云われる。平日、早朝にも関わらず若い男女で浜はにぎわっていた。
ハワイは独立王国であった。その時代の貴重な遺産がこれだ。ハワイ王国公使館別邸、
伊香保温泉街の麓にある日本に残るハワイ王国唯一の建物だそうだ。近くに徳冨蘆花
記念文学館もある。伊香保の温泉にハワイの人びとが浸かった事を示す歴史的建造物。
映像:朝靄に浮かび上がる伊香保神社。この裏に伊香保温泉の源泉井戸が鎮座す。
全国に温泉神社は多数存在。温泉神社(鳴子、いわき湯本、黒羽、那須、鬼怒川、
有馬、南紀白浜、鉄輪、雲仙…)、御湯神社(岩井)、玉作湯神社(玉造)、湯
神社(道後)、温泉石神社(川渡)など 、なかでも小山の頂きに鎮座し、そこか
ら石段の温泉街が続く伊香保神社は特徴的だ。浴衣姿で石段を登れば湯気が昇る。
社格:県社兼郷社 祭神:大己貴命、少彦名命
朝もやの中、温泉石段街を登り、源泉公園へ廻る。露天風呂の奥が整備されていて、
飲泉、源泉ドーム、歌碑,ベルツ像など、3坪ほどの狭いエリアだが、伊香保温泉
の原点が集約されている。ここから石段温泉側溝『小間口』で石段街各旅館に配湯。
【Data】含重曹食塩ー石膏泉(カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉)
44.3℃ PH6.7 源泉:伊香保温泉源泉二号泉
参照#伊香保温泉石段温泉側溝の景観
映像:川沿いにある露天風呂(中央)は混浴だが、情緒あふれ肌ぬるの湯。(by公式HP)
群馬県はデータ的には日本の温泉上位でないが個性ある温泉地では東北に負けてはいない。
そう、思いながら運転していると、発見!川中温泉!地図上では知っていたが、日本三大
美人の湯の一つ。Uターンして路地から里山を進んで10分。とうとう川中温泉に辿り着く。
【Data】石膏泉 34.7℃ ph8.6(ヒートポンプ加熱) 自然湧出65ℓ (毎分) 源泉:美人の湯
参照#三大美人の湯 ①龍神温泉(和歌山県) ②湯の川温泉(島根県) ③川中温泉(群馬県)
草津温泉に来た時必ず寄る公共施設がこの大滝乃湯だ。全国の公共温浴施設は経営
がぎりぎり、かつ循環・消毒という湯趣提供で温泉フアンに魅力が乏しいものだが、
ここ草津では状況が一変。豊富な湯量と強力な酸性が『循環&消毒』を回避できる。
【Data】①酸性硫黄泉、94.6℃、PH1.7 源泉:万代鉱 ・・・露天風呂
②酸性硫黄泉、49.9℃、PH2.1 源泉:煮川の湯・・・合せ湯・大浴場
映像:温泉資源の中で、最も心に残る映像、それは夕闇せまる草津温泉湯畑。
ライトアップに白く映える湯花と漂う硫黄臭に癒される。
草津温泉にやって来た。小生の温泉道の原点。日本の温泉療養、温泉保養、温泉娯楽の原点といっても過言ではない。温泉が人間と深くかかわり、地域文化が形成された日本の温泉文化の発祥の地。これからもキット保養観光の聖地として草津温泉は栄え生き残る。
地球の贈り物:温泉は地球の素敵な贈り物、そして希少金属の有望な採取物質ともなっている。その一つがスカンジウム(Sc, 21)、今草津では壮大な実験が進められている。この希少金属を取り出す事だ。日本はやがて希少金属の最大産出国となるのも夢ではない。
学術:日本温泉地域自然資産NO.54:強酸性源泉と棲息藻類【日本温泉地域学会編】
学術:日本温泉地域文化資産NO.55:共同浴場時間湯入浴法【日本温泉地域学会編】
映像:日帰り入浴も可能なほたる温泉硯川ホテルの湯殿(by 公式HP)
草津白根山を望みながら志賀高原を抜ける時に噴煙を確認。以前スキーを積んで
長野県側に抜けた事があるが噴煙はなかった。ここは比較的新しい温泉。草津白
根山のマグマ貯まりはこの様な温泉を出現。この一帯は平成にミニ源泉公園整備。
【Data】含硫化水素ー単純温泉(含硫黄-カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉)
71.2℃ PH7.76 源泉:硯川温泉