≪特別 Art(アール):道 2015年末のご挨拶に寄せて≫
映像:東京国立近代美術館常設展で偶然鑑賞した東山魁夷作「道」
挨拶:2015年最後のブログは日本画家東山魁夷の「道」で締めくくる。
なぜなら今年ようやくサラリーマン人生と決別したからである。
一体、人生とはなんであったのか?これから、何処へいくのか?
この作品はこの様な人生の区切りに大きな啓示を与えてくれた。
我が人生そのものである。終わりのない道程をまた一歩一歩だ。
詩集:高校生時代に読んだ高村光太郎作「道程」が本作品から蘇える。
『僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る
ああ、自然よ 父よ
僕を一人立ちさせた広大な父よ
僕から目を離さないで守る事をせよ
常に父の気魄(きはく)を僕に充たせよ
この遠い道程のため この遠い道程のため』
・・・哀しいかな。筆者は物心がついたころには父は他界していた。
だから、余計に父の逞しさに憧れ、この詩集にのめり込んだ。
感動:画家#滝田修一氏に世界で通用するのは藤田嗣治と東山魁夷だと
言わしめた、東山魁夷の出世作「道」に偶然に遭遇した。NHK
のドキュメントで知り是非鑑賞したいと思っていたのだ。感動!
解説:三陸復興国立公園種差海岸に隣接するタイヘイ牧場の道がモデル。
作品をよく観ると「道」は頂上に達して、更に右奥に果てなく続く。
そして道の起点は果てない太平洋の大海原、母なる海なのである。
参照:①高村光太郎(無垢の愛)探訪紀行
②作品の写生地の様子「道・東山魁夷写生地道標」
③作品の写生地の対岸「健康保養海岸(三陸復興国立公園種差海岸)」
(20015年 12月 大晦日)