今回最大の期待温泉地山鹿温泉へ行く前にチョイと寄り湯。宮原温泉という懐かしく
なる語韻の長命館。二つある温泉旅館の内、元湯館は廃業したそうで道々に「赤湯」
「白湯」と派手な幟の温泉宿。玄関ではマスコットオウムのリボンが出迎えてくれた。
啼声:ギャー、お~いオイ・・・他、物真似多数 分類:オウム目オウム科
注意:オウムの籠には「噛むので注意」と張り紙。
≪ Memoir:動物観察 小樽鵜(北海道小樽港) 2014.08.15 ≫
北海道温泉探査の資料を整理して見つけた動物画像。もう四年前のこと。
この頃は毎年の様に「北海道探湯ツーリング」を行っていた。一週間の
旅の途中小樽運河を見学時に遭遇した鵜の日向ぽっこ。懐かしいシーン。
啼声:グルルル、ゴァゴァ・・・ 分類:カツオドリ目 ウ科
参考:小樽港から北の海にウミウやオロロン鳥の繁殖地:天売島が浮かぶ。
旧制五高(熊本大学)の教授時代、同僚と逗留した小天温泉の宿。
その離れ側に設置された夏目漱石の歌碑。実際にモデルともなっ
たこの地のエピソードを素に小説「草枕」の構想を練り書き上げた。
句文:『 かんてらや 師走の宿に
寝つかれず 』(漱石)
解説:一人残してきた新妻のことを気遣う複雑な心情を詠み込む。
参照:① 夏目漱石(則天去私)探訪紀行
② 前田家 別邸(熊本県玉名市 小天温泉)
映像:前田家別邸の夏目漱石が浸かった湯殿。ここで前田卓(ツナ)女史と鉢合わせする。
夏目漱石ゆかりの温泉地:小天(おあま)温泉にやって来た。夏目漱石はよほど温泉
が好きなのか?それとも明治の社交場は温泉地という事情かここでも「坊ちゃん(道後
温泉)」同様名作を残している。実際にこの湯殿で起きたことを描いたのが小説「草枕」。
草枕:抜粋 { 宿の娘:那美(前田案山子(かがし)次女卓(ツナ))との遭遇シーン }
『・・・女の影は遺憾なく、余が前に、早くもあらわれた。・・・真白な姿が雲の底
から次第に浮き上がって来る・・頸筋を軽く内輪に、双方から責めて、苦もな
く肩の方へなだれ落ちた線が、豊かに、丸く折れて、流るる末は五本の指と
分れるのであろう。ふっくらと浮く二つの乳の下には、しばし引く波が、ま
た滑らかに盛り返して下腹の張りを安らかに見せる。張る勢を後ろへ抜いて、
勢の尽くるあたりから、分れた肉が平衡を保つために少しく前に傾く。逆に
受くる膝頭のこのたびは、立て直して、長きうねりの踵につく頃、平たき足
が、すべての葛藤を、二枚の蹠に安々と始末する。世の中に・・これほど自然
で、これほど柔らかで、これほど抵抗の少い、これほど苦にならぬ輪廓は決
して見出せぬ。・・・輪廓は次第に白く浮きあがる。今一歩を踏み出せば・・・・
あわれ、俗界に堕落するよと思う刹那に、緑の髪は、・・・風を起して・・・・・・・
渦捲く煙りを劈いて、白い姿は階段を飛び上がる。ホホホホと鋭どく笑う女
の声が、廊下に響いて、静かなる風呂場を次第に向(むこ)うへ遠退(の)く・・・』
鑑定:さあ、この文章を観てどう思うだろうか?漱石は画像右上の階段から降りてく
る前田家の娘ツナ(出戻り)の裸体を文章で現した。東大出のエリート教授
が表現するとこの様に面倒臭いものとなる。イヤラシサなど微塵もないのだ。
しかし、一般人ならこれは覗き表現にすぎない。藝術とはこの様に昇華する。
参照#夏目漱石 (則天去私) 探訪紀行
映像:2018年九州温泉探はいよいよ佳境に。二日目、夏目漱石の足跡を辿る。
旧小天(おあま)村湯ノ浦地区の前田案山子は細川藩の槍指南であったが後に
農民運動に身を挺した。温泉が湧くこの地に別邸を立てて屋敷の一部を温泉宿
として開放。熊本市に近い温泉地で旧制五高(熊本大学)の先生方も来たという。
解説:旧制五高(熊本大学)の先生(教授)であった夏目漱石(金之助)は夏休
みに別邸離れに逗留。その時のエピーソードを題材に小説「草枕」を書
き上げた。作中の風呂場の美女(草枕の那美)は前田案山子の娘前田卓だ。
草枕:夏目漱石の小説で「小天温泉」を舞台にして「非人情」や「芸術論」を
展開するが、筆者はこの温泉の湯船での漱石の混浴?体験記載に注目す。
参照#夏目漱石「草枕の湯」(熊本県小天温泉)
≪ お便り速報:北海道風景画館便り三十 中富良野 奈江 2018.8.11≫
映像:風景画館館主 奥田画伯作「夕まぐれの丘2018(80×40)」*BY POST CARD
今年も北海道から北の大自然に抱かれ、魅せられた画伯から便りが届いた。
2016年まで毎年の様にツーリングした北海道。広大な大地で寛ぐ空間が廃
校を利用した小さな美術館「風景画館」その新作が映像の『夕まぐれの丘」
便り:奥田修一画伯のお便り文章に共感した一文抜粋
「・・・果てない宇宙の事を思う。限られた命を思う。過ぎて行く人生を思う」
「・・・・・・・・・絵画とは物ではなく、物と生命の中庸にあるものと信じている」
「・愛しかない・・・これだけの事を信じるのに私は・・・人生の大半を費やした」
≪ 入浴速報:ホテルポニー温泉 2018.8.12通算5入湯 ≫
🔵八甲田山のお花畑を縦走し、里の湯ポニー温泉で汗を流す。
(過去の記録)
十和田市中心街の西外れ旧十和田湖町に向う道路沿いにある。
やはりこの地方の特色である単純温泉。露天風呂を500円で
味わう。一般湯とは分離、ゆっくり入るなら露天風呂だろう。
【Data】単純温泉41℃、PH8.7 源泉:十和田ポニー温泉
浴感:名湯というのはこういう温泉をいうのだろう。源泉風呂
(家族風呂)は全身がすべヌル状態美肌の湯であるといえ
る。PH8.7は青森県でトップクラスのアルカリ度である。
植木温泉平山旅館を5時に抜け出してここ宝田温泉が三湯目。早くも先客がいた。
壁に大きく「およがないでください」と掲示された露天風呂は最高に気持ちいい。
最も湯心地の良い露天風呂体験。まるで歓迎する様に気泡が身体にまとわり付く。
【DATA】重曹泉 42.6℃ pH7.35 源泉:宝田温泉(1003湯目 2018.5.27)
浴感:大量の源泉投入、微硫黄臭、微濁、奥の源泉水風呂、ひろ ~ い湯船。リラ
ックスゾーンの湯温(40℃前後)なにもかも筆者が求める秘湯・地域湯だ。
そして何よりも大切な気泡の絡みと重曹泉がもたらす美肌効果・・・温泉万歳!!
記録:平成11年4月から12年3月までにNHK「ふだん着の温泉(続ふだん着の温泉)」
で全国放映された。当時は、村の皆が費用を出し合った宝田温泉共同浴場と
して紹介された。近くに西郷どんが戦った西南戦争古戦場『田原坂』がある。
参照:NHK「ふだん着の温泉」の放映第一号が青森県下北半島下風呂温泉であった。
植木温泉周辺のふだん着の温泉を早朝訪ねて気が付いた事がある。それはそれぞれ
地場野菜が販売されていることだ。過疎化、コンビニもなし、民家も疎ら・・・そんな
里では公衆浴場が健康と癒しと交流の場で、貴重な新鮮野菜・果物入手の場なのだ。
参照:温泉街の湯治客用の地場産直だと「名物朝市」(肘折温泉)になる
合志川のほとり、のんびり田園風景に囲まれた日帰り入浴施設。朝6時開業とともに
近隣のお年寄りが軽トラでやって来る。ここらは、熊本市、菊池市が隣接していて
いったりきたりで二番目の朝風呂。ふだん着の温泉の入浴はほっこり時間が過ぎた。
【Data】重曹泉 43.9℃ PH7.3 源泉:辰頭温泉2( 1002湯目:2018.5.27)
浴感:実は映像の右外に岩造りの露天風呂がある。最初気付かなかったが常連さんが
浴室に来て真っ直ぐ向かったのがこの露天風呂。筆者は一番風呂撮影を終った
ので映像がないが実に渋い湯船だ。ここで数時間過ごすというお爺さんが発し
た言葉『・・・あちこち回ったバッテン、ここがヨカーバイ』が印象的であった。
参照#熊本県 温泉地 データ・ベース
映像:名湯の宿旅館平山の正面玄関は朝陽を浴びて輝きを増していた。
熊本市の奥座敷ともいわれる植木温泉。合志川沿いに十軒前後の温泉旅館
・ホテルが温泉街を形成している。その中でも温泉評論家が推奨したのが
旅館平山。此処にも小野小町生誕伝説がある。小野川温泉と同様美人の湯。
参照:東北地方山形県の小野小町伝説の小野川温泉・河鹿荘
絶品湯植木温泉旅館平山の湯殿に種田山頭火俳句壁画があった。
温泉地と文人をサブテーマにして来た筆者にとってなによりの
俳句壁画。山頭火は熊本県では日奈久温泉に多く句を残してる。
壁句: 『 分け入っても 分け入っても 青い山 』(山頭火)
解釈: どこまで行ってもただただ深い山が続くのみ・・・
という自然な解釈と、それを己の人生に例えて
いくら修行しても悟りが開けない意味もとれる。
さて、皆さんはどうか?名湯に浸かり考えよう
参照#①植木温泉平山旅館 ②種田山頭火(放浪の歌人)探査紀行
参考:漂泊の俳人種田山頭火は植木町にある味取観音堂瑞泉寺
の堂守をしていた。山頭火はその翌年放浪の旅立ちをし
たのだった。毎年3月10日に山頭火を忍ぶ種田山頭火
供養祭が開催される。種田山頭火は温泉地と関わり深い。
熊本市の奥座敷植木温泉(平山旅館)の湯殿は素敵な空間で満たされていた。
湯船は立派な赤御影石で造られており、湯の香は微硫黄臭。湯の色も薄青
白く光屈折も源泉故の彩なすさまにこの温泉が絶品である事を目視できる。
【Data】単純硫黄泉 46.6℃ pH8.67 源泉:植木温泉(1,001湯目)
感動:本映像の湯船に溢れる源泉の湯色は滅多に観れないスパブルーだ。
【 広島「原爆の日」:1945年(昭和20年)8月6日午前8時15分 】
祷り:今日は広島に原爆が投下された日、平和祈念式典の日である。この
日、ブログ掲載1000湯というメモリアルな数字に筆者は深い感銘を
覚える。原爆被災者の多くを受け入れたのは山陰の温泉地であった。
温泉は傷ついた人々を包み込み癒してくれる最良の天然資源である。
しかし、出来る事ならこの様な記念日の無い平和な世界を願うもの。
参考:山陰の温泉地でも特に療養先として多くの被爆者を受け入れたのが
有福温泉。因みに阪神淡路大震災では有馬温泉が被災者を受入れた。
また、原爆症の美人芸者を描いた「夢千代日記」の舞台は湯村温泉。
参照:①有福温泉(島根県) ②有馬温泉(兵庫県) ③湯村温泉(兵庫県)
いよいよ福岡県から熊本県の温泉地と県境を越えた。宿泊温泉地は植木温泉だが
先ずご近所さんにご挨拶と宿に着く前のもう一湯が亀の甲温泉。植木温泉周辺に
この様な地元湯が点在して癒しの源泉を提供。勿論、朝取野菜の展示販売もあり。
【Data】重曹泉 39.2℃ PH7.5 源泉:亀の甲温泉(999湯目:2018.5.27)
淡黄色、微鉱物臭、微鉱物味(苦味)
浴感:大好きな安らぎゾーン39℃の源泉が掛け流し、湯船にはライオン湯口が。
地元の人々はつくづく幸せだと実感。毎日癒し湯に入れるのが羨ましい。
(入浴速報:青森推奨湯 柏木温泉(平川市) 2018.8.3 6:30≫ 📷 iPhone8
画像:左が温い湯、右ジャグジーが熱い湯、画面から外れて右奥がぬる~いぬる~い湯
津軽の温泉処を代表する平川市。其の真ん中に位置する柏木温泉。今まで何気に来ていた
が、今日はこの温泉の底力を感じさせられた。注意力の無さか気がつかなかった事がある。
ゆっくり入れる温目の浴槽があったのだ。勿論大浴槽も泉温41℃と快適、人に優しい温泉!
【Data】食塩泉 48.8℃ PH8.15 源泉:柏木下山温泉 (微塩味無)
計測:熱い湯43℃、温い湯41℃、ぬる~い湯33℃(水割)
記録:今日は「黒石ねぷた祭り」の鑑賞で田舎館道の駅車中泊。朝湯に柏木温泉を選んだ。
参考:本施設は宿泊も可能。一般客が帰った後か、朝一の入浴が心地よいだろう。