(背中に直接マジックで「私は泥棒です」と書かれた女性 台湾・NOWnewsより http://www.nownews.com/2011/10/11/11490-2748280.htm)
経済成長著しい中国ですが、日本的な感覚からすると容認できないような人権軽視の問題は多々あります。
中央政府レベルの民主化運動や少数民族問題に対する対応だけでなく、企業と癒着した地方政府による強権的な土地収用、地方有力者による特権的ふるまい、利益のためなら住民生活を顧みず廃棄物を垂れ流す企業、健康被害が出ることを承知で危険食品を売る企業、日頃の不満を集団暴力的行動で爆発させる住民・・・等々。
そうした話題をいちいち取り上げていたらきりがなく、嫌中ブログになってしまいますので、普段はあまり取り上げないようにしています。
ただ、下記の記事は、その写真のインパクトも併せて、見過ごすことができないものを感じました。
****女性どろぼうをさらし者にする人権無視=服を切り裂き半裸姿で歩かせる―浙江省台州市****
2011年10月11日、台湾・NOWnewsは、中国浙江省台州市で人権無視の「市中引き回し」が行われた可能性があると報じた。
先日、ネット掲示板で台州市の非人道的事件が報じられた。女性のどろぼうが捕まった後、警察に通報される前に暴力をふるわれた。しかもカミソリで服もブラジャーも切り裂かれた後、上半身は布1枚巻いただけの半裸姿でさらし者にされたという。
背中には直接マジックで「私は泥棒です」と大きく書かれていた。メディアの取材に答えた台州市警察は「初期的な調査を実施したが、噂されているような事実は確認されていない」とコメントしている。
ネット掲示板の書き込みは話題となり、中国本土メディアも取り上げる騒ぎとなっている。かつての中国では犯罪者を街頭でさらし者とすることが一般的だったが、現在では人権侵害との批判も高まり政府も禁止している。【10月12日 Record China】
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一体どんな“どろぼう”だったのかは、全くわかりません。
“警察に通報される前に暴力をふるわれた”とのことですので、盗難被害にあった関係者が“見せしめ”に行った行為と思われます。
関係者だけでなく、写真に写しだされた、集まった一般市民の興味津津の表情も怖いものがあります。
権力による暴行よりも、市民の間におけるリンチはおぞましく思われます。
例えば、終戦後のパリ市街で行われた、市民によるドイツ協力者への報復(若い女性の髪を切って坊主にするなど)の映像は、自分を含めた人間の心に潜む邪悪なものを見せつけられるようで正視に堪えません。
辛亥革命から100年。
中国は確かに経済的には目覚ましい成果をあげてはいますが、人々の意識には、革命前の前近代的なものがまだ残っているように思えます。