(【CRI online】16日、ソウルで会談した韓国の尹錫悦大統領(左)と中国の栗戦書・全人代常務委員長(右))
【韓国若年層 中国への否定的な認識 最大理由はキムチ起源?】
韓国と日本の間の国民レベルの不信感・反発がよく話題になりますが、その韓国では、特に若年層では日本に対する以上に中国に対する嫌悪感・反発が強いということもしばしば言われるところです。
ただ、最大の原因がキムチの起源をめぐる論争ということで、歴史問題を抱える日韓関係の問題とは根深さと言うか、やや質的に違うようにも思えます。
もっとも、韓国・中国の間にも2千年近い圧力・侵略・攻撃などの歴史があり、韓国人のDNAには嫌中感情あるいは中国への恐怖が刷り込まれているとも言われるように、キムチ論争も“軽いもの”とも一概に言えないのかも。
****韓国の若者は中国が嫌い?好感度が日本や北朝鮮より低い理由=韓国ネット「あの屈辱が忘れられない」****
2022年8月22日、韓国・東亜日報は「韓国の20~30代の多くが中国に否定的な認識を持っている」と伝えた。
記事によると、韓国の世論調査機関「リサーチアンドリサーチ」は11~14日に全国の20~39歳の成人男女420人を対象に調査を行った。その結果、中国に対する好感度は2.73点(10点満点、10点に近づくほど好感度が高い)にとどまり、米国(6.76点)だけでなく、日本(3.98点)や北朝鮮(2.89点)より低かった。中国に0~4点をつけた回答者は全体の78.8%に達したという。
中国に否定的な認識を持つ理由としては「キムチと韓服(韓国の伝統衣装)を中国起源と主張する(48.2%)」が最も多く挙げられた。2位以下には「香港民主化デモ鎮圧や新疆ウイグル自治区などの人権侵害問題(35%)」「先端技術・人材・情報の流出と知的財産権の侵害(29.3%)」「中国共産党の一党統治などの政治体制(26.4%)」「高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備に対する経済報復(18.8%)」が続いた。
現在の中韓関係を「悪い」と評価した回答者は58.9%に達し、「良い(5.3%)」を大きく上回った。関係悪化の原因としては「韓国に対する中国政府の高圧的外交と態度(52.9%)」が最も多く挙げられた。
「中韓関係の改善が必要だ」と考える人は75.3%に達したが、改善のために最も必要なものとしては「中国が経済・安全保障分野で韓国への威圧的な態度を変えなければならない」との回答が60.2%で最も多かった。
一方、回答者の78.8%が「中国は経済の面で重要な存在であるため協力するべき」との考えを示した。経済協力の理由としては「人口が多く市場が巨大であるため(42.3%)」「韓国の経済・貿易の対中依存度が高いため(36.7%)」が主に挙げられた。
「安全保障の面で中国は協力対象か」との質問には「そう思わない(49.7%)」と「そう思う(48.7%)」が拮抗した。ただ、「非常にそう思う」と回答した割合が8.3%であったのに対し「全くそう思わない」は27.2%に達した。協力が必要な理由としては「北朝鮮の核問題解決のため(40.8%)」が最も多かった。
専門家は「若い世代は現実的な感覚を持っている」とし、「中国の形態が改善されれば中韓関係は改善の糸口を見つけられるだろう」と話したという。
これに韓国のネットユーザーからは「昔は日本のほうが嫌いだったけど、今は中国よりずっと好感が持てる」「経済が今より多少苦しくなったとしても、中国とは距離を置いた方がいい」「若い人だけではない。40代以上も同意見」「中国が韓国を助けてくれたことなんてある?」など、調査結果に納得の声が上がっている。
記事によると、韓国の世論調査機関「リサーチアンドリサーチ」は11~14日に全国の20~39歳の成人男女420人を対象に調査を行った。その結果、中国に対する好感度は2.73点(10点満点、10点に近づくほど好感度が高い)にとどまり、米国(6.76点)だけでなく、日本(3.98点)や北朝鮮(2.89点)より低かった。中国に0~4点をつけた回答者は全体の78.8%に達したという。
中国に否定的な認識を持つ理由としては「キムチと韓服(韓国の伝統衣装)を中国起源と主張する(48.2%)」が最も多く挙げられた。2位以下には「香港民主化デモ鎮圧や新疆ウイグル自治区などの人権侵害問題(35%)」「先端技術・人材・情報の流出と知的財産権の侵害(29.3%)」「中国共産党の一党統治などの政治体制(26.4%)」「高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備に対する経済報復(18.8%)」が続いた。
現在の中韓関係を「悪い」と評価した回答者は58.9%に達し、「良い(5.3%)」を大きく上回った。関係悪化の原因としては「韓国に対する中国政府の高圧的外交と態度(52.9%)」が最も多く挙げられた。
「中韓関係の改善が必要だ」と考える人は75.3%に達したが、改善のために最も必要なものとしては「中国が経済・安全保障分野で韓国への威圧的な態度を変えなければならない」との回答が60.2%で最も多かった。
一方、回答者の78.8%が「中国は経済の面で重要な存在であるため協力するべき」との考えを示した。経済協力の理由としては「人口が多く市場が巨大であるため(42.3%)」「韓国の経済・貿易の対中依存度が高いため(36.7%)」が主に挙げられた。
「安全保障の面で中国は協力対象か」との質問には「そう思わない(49.7%)」と「そう思う(48.7%)」が拮抗した。ただ、「非常にそう思う」と回答した割合が8.3%であったのに対し「全くそう思わない」は27.2%に達した。協力が必要な理由としては「北朝鮮の核問題解決のため(40.8%)」が最も多かった。
専門家は「若い世代は現実的な感覚を持っている」とし、「中国の形態が改善されれば中韓関係は改善の糸口を見つけられるだろう」と話したという。
これに韓国のネットユーザーからは「昔は日本のほうが嫌いだったけど、今は中国よりずっと好感が持てる」「経済が今より多少苦しくなったとしても、中国とは距離を置いた方がいい」「若い人だけではない。40代以上も同意見」「中国が韓国を助けてくれたことなんてある?」など、調査結果に納得の声が上がっている。
また「これもすべて文在寅(ムン・ジェイン)前政権のせい。中国に媚びへつらい過ぎた」「中国を国賓訪問した文前大統領は一人飯をさせられてもへらへら笑っていた。あの屈辱が今でも忘れられない」との意見も見られた。【8月22日 レコードチャイナ】
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【最近の秋夕(チュソク)をめぐる論争 「高句麗」「渤海」の歴史認識】
最近でも“キムチ論争”的な軋轢が。
****「起源は中国にある!」韓国の名節“秋夕”を巡って中韓がオンライン上で激しく対決****
韓国では旧暦8月15日が先祖の霊を祀る秋夕(チュソク)と呼ばれる1年の間で最も重要な祝日だ。会社やお店は休みにすることも多く、墓参のために帰郷する人も多い。
今年は9月10日が秋夕当日で、9月9〜12日が連休だった。朝鮮半島の伝統行事のため、秋夕の祝いは当然、北朝鮮にもある。
そんな伝統行事に茶々を入れる事態が発生し、韓国内で大きな怒りがわき上がっている。
なんと中国ネット民が「秋夕は中国伝統文化の模倣」と主張し、強く批判したのだ。
発端は、アメリカのバークレー大学にある韓国食堂の秋夕記念メニューに「Korean Mid-Autumn Festival」というフレーズが掲載されたことにある。アメリカ在住の中国人が、その写真を中国版Twitterである「ウェイボー」に掲載したのだ。
すると、中国ネット民の間では「韓国の秋夕ではなく、中国の中秋節が正式名称だ」と、連日のバッシングを加えた。中国のオンライン上では、「韓国の伝統行事だと?韓国が中秋節を盗んでいる」「また、中国の伝統文化が盗まれた」など批判一色の様相だ。
これには、韓国内でも「秋夕は新羅(シルラ)時代に誕生して、新羅は中国を重んじていたから、間違いではないが…」「秋夕で着る服も食べる物も違うのに起源を主張されても」「また、中国か」など、一部主張を認める声も上がりながらも、批判の色が濃くなった。
昨今、加熱する一方の中韓オンライン対決は、お互いに揚げ足を取りながら日夜激論が繰り広げられている。もう少し相手を尊重できるようになればいいのだが…。【9月17日 サーチコリア】
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日本を含め、東アジア文化の多くが中国に起源を持ち、それぞれの国でその国の事情に合わせて進化・成熟してきたことは今更言うまでもないことで、その起源をめぐって争うというのは“子供のケンカ”のようにも。
ただ、そういう“子供のケンカ”をしたくなる背景・国民感情が問題なのでしょう。
下記の「高句麗」と「渤海国」をめぐる問題になると、“子供のケンカ”とは言っていられない歴史認識の問題にもなります。
****中韓またもや「歴史問題」で衝突、中国が抗議受け入れ最悪の事態を回避***
中国国家博物館は15日、開催中の特別展「東方吉金—中韓日古代青銅器展」に展示されていた韓国古代史年表を撤去した。年表に「高句麗」と「渤海国」に関連する記述が削除されていたことに対する韓国側の抗議を受け入れた。
同特別展は中韓国交正常化30周年と日中国交正常化50周年を記念して中国国家博物館で7月26日に始まった。韓国国立中央博物館や日本の東京国立博物館から運ばれた青銅器も展示されている。
韓国が資料として提供した歴史年表には、高句麗と渤海国に関連する記述があったが、会場の展示された年表には、高句麗と渤海国に関連する部分が削除されていたとして、韓国国内で反発が発生していた。韓国国立中央博物館は、歴史年表における高句麗と渤海国の削除の問題が是正されなければ、韓国からの出展品を引き揚げると発表した。
高句麗は紀元前に成立したとされる国で、西暦668年に滅亡した。渤海国の建国は698年で滅亡は928年だった。いずれの国の版図も、現在の中国東北地方、ロシアの一部、北朝鮮にまたがっていた。中国の学術界で1990年代後半から、高句麗や渤海国について「古代中国にいた少数民族であるツングース系の夫余人の一部が興した政権」、「高句麗は中国の一部であり中国の地方政権である」などの見解が次々に発表されたことで、韓国側は強く反発した。
両国の感情的対立が高まったことを受け、中国は2002年に武大偉外交部副部長(副大臣、当時)を韓国に派遣して崔英鎮(チェ・ヨンジン)外交次官との会談を行った。武副部長が「中国は中央及び地方政府次元の高句麗史関連記述に対する韓国側の関心に理解を表明し、必要な措置を取っていく」などと説明したことで、対立は一応、下火になった。
韓国外交部(外務省)は中国国家博物館の特別展の年表問題について、中国側からは「なんらかの意図があって、意図的に行ったわけではない」と説明があったと発表した。さらに、中国側と「中韓両国が2004までに達成した歴史問題の共通認識についての合意」を確認したと表明した。
中国外交部(外務省)の毛寧報道官は13日の定例記者会見で同件に関連して、「高句麗問題は学術問題だ」と主張して、「学術問題は学術分野で専門的に議論し、意思疎通することができ、政治的に騒ぎ立てる必要はない」と述べた。
韓国外交部は「今回の事件の動向と歴史論争の問題については、今後も注視していく」考えを明らかにした。【9月18日 レコードチャイナ】
同特別展は中韓国交正常化30周年と日中国交正常化50周年を記念して中国国家博物館で7月26日に始まった。韓国国立中央博物館や日本の東京国立博物館から運ばれた青銅器も展示されている。
韓国が資料として提供した歴史年表には、高句麗と渤海国に関連する記述があったが、会場の展示された年表には、高句麗と渤海国に関連する部分が削除されていたとして、韓国国内で反発が発生していた。韓国国立中央博物館は、歴史年表における高句麗と渤海国の削除の問題が是正されなければ、韓国からの出展品を引き揚げると発表した。
高句麗は紀元前に成立したとされる国で、西暦668年に滅亡した。渤海国の建国は698年で滅亡は928年だった。いずれの国の版図も、現在の中国東北地方、ロシアの一部、北朝鮮にまたがっていた。中国の学術界で1990年代後半から、高句麗や渤海国について「古代中国にいた少数民族であるツングース系の夫余人の一部が興した政権」、「高句麗は中国の一部であり中国の地方政権である」などの見解が次々に発表されたことで、韓国側は強く反発した。
両国の感情的対立が高まったことを受け、中国は2002年に武大偉外交部副部長(副大臣、当時)を韓国に派遣して崔英鎮(チェ・ヨンジン)外交次官との会談を行った。武副部長が「中国は中央及び地方政府次元の高句麗史関連記述に対する韓国側の関心に理解を表明し、必要な措置を取っていく」などと説明したことで、対立は一応、下火になった。
韓国外交部(外務省)は中国国家博物館の特別展の年表問題について、中国側からは「なんらかの意図があって、意図的に行ったわけではない」と説明があったと発表した。さらに、中国側と「中韓両国が2004までに達成した歴史問題の共通認識についての合意」を確認したと表明した。
中国外交部(外務省)の毛寧報道官は13日の定例記者会見で同件に関連して、「高句麗問題は学術問題だ」と主張して、「学術問題は学術分野で専門的に議論し、意思疎通することができ、政治的に騒ぎ立てる必要はない」と述べた。
韓国外交部は「今回の事件の動向と歴史論争の問題については、今後も注視していく」考えを明らかにした。【9月18日 レコードチャイナ】
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私個人の印象では「高句麗」は朝鮮、「渤海」(日本とは渤海使・遣渤海使の頻回の往来で、非常に関係が深い国です)は中国のイメージがありましたが、そうした現在の国境線・国家を基準にした区分があまり意味ないことなのでしょう。
【ペロシ米下院議長と会わなかった伊大統領、中国・栗戦書全人代委員長とは会談 伊政権を引き寄せる中国の経済的引力】
国際政治・外交レベルで中国と韓国の間で懸案となっているのは在韓米軍の迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の配備問題です。
****中国序列3位と会談=THAAD議論、配慮示す―韓国大統領****
韓国の尹錫悦大統領は16日、中国共産党序列3位の栗戦書・全国人民代表大会(全人代)常務委員長(国会議長に相当)とソウルの大統領府で会談した。
中国が反対する在韓米軍の迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の配備問題に関して議論し、意思疎通を通じて関係の悪化を避ける姿勢を示した。大統領府が発表した。
尹氏は「国交正常化30周年を迎え、成長してきた韓中関係を今後30年間、相互尊重と互恵の精神で質的にもさらに発展させていきたい」と表明。THAAD問題に関して「両者が緊密な意思疎通を通じて韓中関係の障害にならないようにしないといけない」と指摘した。栗氏も「意思疎通の必要性に共感した」という。両者は北朝鮮の核問題も議論した。【9月16日 時事】
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在韓米軍のTHAAD韓国配備については2016年に表面化し、中国が激しく反発、「限韓令」と言われる韓国からの輸入規制措置・非関税障壁・韓流排除・韓国企業の営業阻止などの露骨な報復を行っています。
中国側の反発の強さ・露骨さは、日本に対するものとは異なり、中国側の韓国に対する“上から目線”をうかがわせる感じもありました。
この問題はいったんは鎮静化したものの、最近また再燃するかたちでくすぶっています。
今回の会談におけるTHAADをめぐる具体的なやりとりもさることながら、ペロシ米下院議長が訪韓した際には会わなかった尹錫悦大統領が、同じような地位にある中国共産党序列3位の栗戦書・全国人民代表大会(全人代)常務委員長(国会議長に相当)とは会談したというあたりに、アメリカと中国の間にあって腐心する韓国政権の苦悩もうかがえます。また、中国の“引力”の強さも。
****中国・栗戦書全人代委員長が訪韓―実質的進展は共産党大会終了後か、焦点は依然としてTHAAD****
中国全国人民代表大会常務委員会の栗戦書委員長が15日から17日にかけて韓国を訪問し、(ユン・ソンニョル)大統領や金振杓(キム・ジンピョ)国会議長ととの会談も行った。
しかし中韓関係の実施的な進展は10月16日に始まる中国共産党全国代表大会(中国共産党大会)の終了後との見方が出ている。また、中韓関係の今後を決める大きな要因は、韓国国内での高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備という。
韓国にとって、とりわけ重要なことは中国との経済関係の推進だ。中興大学国際政治研究所の盧信吉助教授は、「チップ4」が焦点の一つとの見方を示した。
韓国にとって、とりわけ重要なことは中国との経済関係の推進だ。中興大学国際政治研究所の盧信吉助教授は、「チップ4」が焦点の一つとの見方を示した。
「チップ4」とは米国が推進する半導体関連の国際戦略で、中国を可能な限り排除しながら米国と台湾、韓国、日本が永続的な同盟を結ぶ内容だ。
韓国はチップ4に参加することができるが、その場合には中国との関係は後退する。盧助教授によると、韓国は半導体の対中輸出に「風穴」を開ける方向で動いているという。
尹大統領は栗委員長に対して、習近平国家主席の都合のよい時期の韓国訪問を招待した。しかし盧助教授は、習近平主席が早い時期に訪韓しても実質的な成果は得られないとの見方を示した。
尹大統領は栗委員長に対して、習近平国家主席の都合のよい時期の韓国訪問を招待した。しかし盧助教授は、習近平主席が早い時期に訪韓しても実質的な成果は得られないとの見方を示した。
中国共産党大会で習近平氏が相当な支持を得て、指導者としての地位をさらに確固たるものにする、すなわち国内を固めた上でないと、中国は外交戦略の調整に乗り出せないという。
韓国にとっては、北朝鮮問題などを考えれば米国との関係は極めて重要だが、経済を考えれば中国との関係は極めて重要だ。
韓国にとっては、北朝鮮問題などを考えれば米国との関係は極めて重要だが、経済を考えれば中国との関係は極めて重要だ。
8月上旬にはペロシ米下院議長が中国の猛反発にもかかわらず台湾を訪問したが、続いて韓国を訪れた際に、尹大統領はペロシ議長に直接の対面はしなかった。しかし今回、中国の栗委員長とは対談した。
ペロシ議長は米国政界中で3番目の地位にある人物で、栗委員長は中国政界中で3番目の地位にある人物だ。韓国側の両者に対する対応の違いも注目された。東京国際大学国際戦略研究所の李克賢准教授は尹大統領が、栗委員長に直接会ったのは、政治的・経済的利益を考慮したものだとの考えを示した。
李准教授は「中国は(韓国の)最大の貿易相手国であり、米国は韓国の電気自動車生産の利益を損ねている。経済的には当然、韓国は米国よりも中国に接近するだろう」と指摘。
李准教授はさらに、北朝鮮問題では、中国の影響力が米国よりもずっと大きいとの考えを示した。尹大統領がペロシ議長に会わなかったのは、韓国が台湾問題について米国の立場とは異なることを中国に示す狙いがあったという。
尹大統領は選挙期間中には、親米的な立場を強調した。そのため、ペロシ議長とは会わず栗委員長とは会談したことを、意外視する声も出た。
李准教授は尹大統領の方向性の転換について「就任後は現実的な路線を取り、中国に傾いている」と指摘。現実を重視して、可能な限りバランスを取ろうとしているのが、現在の尹大統領の方針という。
中韓にとっての最大の「摩擦の原因」は、米軍によるTHAADの韓国国内配備だ。
中国政府外交部(中国外務省)は8月に、韓国政府はTHAADの追加配備は行わず、韓国国内におけるTHAADの使用を制限する方針を採用したなどと表明した。しかし韓国側は同表明を否定し、中国側が関連事項に言及すれば中韓関係の足かせになると批判した。
尹大統領はは栗委員長と会談した際に、THAAD問題が中韓関係の足かせにならないようにする必要があると述べたとされる。李准教授はTHAADについて、名目上は北朝鮮内のミサイルを探知するためとされているが、ロシアの一部と中国領土の大部分を探知する能力があることから、中国がTHAADを潜在的脅威とみなすことは理解できるとの考えを示した。
しかし韓国側はこれまでのところ、韓国国内でのTHAAD配備について、北朝鮮の核の脅威に対応するものであり、国家の安全保障にかかわることであるので妥協はできないとの姿勢を示している。【9月17日 レコードチャイナ】
ペロシ議長は米国政界中で3番目の地位にある人物で、栗委員長は中国政界中で3番目の地位にある人物だ。韓国側の両者に対する対応の違いも注目された。東京国際大学国際戦略研究所の李克賢准教授は尹大統領が、栗委員長に直接会ったのは、政治的・経済的利益を考慮したものだとの考えを示した。
李准教授は「中国は(韓国の)最大の貿易相手国であり、米国は韓国の電気自動車生産の利益を損ねている。経済的には当然、韓国は米国よりも中国に接近するだろう」と指摘。
李准教授はさらに、北朝鮮問題では、中国の影響力が米国よりもずっと大きいとの考えを示した。尹大統領がペロシ議長に会わなかったのは、韓国が台湾問題について米国の立場とは異なることを中国に示す狙いがあったという。
尹大統領は選挙期間中には、親米的な立場を強調した。そのため、ペロシ議長とは会わず栗委員長とは会談したことを、意外視する声も出た。
李准教授は尹大統領の方向性の転換について「就任後は現実的な路線を取り、中国に傾いている」と指摘。現実を重視して、可能な限りバランスを取ろうとしているのが、現在の尹大統領の方針という。
中韓にとっての最大の「摩擦の原因」は、米軍によるTHAADの韓国国内配備だ。
中国政府外交部(中国外務省)は8月に、韓国政府はTHAADの追加配備は行わず、韓国国内におけるTHAADの使用を制限する方針を採用したなどと表明した。しかし韓国側は同表明を否定し、中国側が関連事項に言及すれば中韓関係の足かせになると批判した。
尹大統領はは栗委員長と会談した際に、THAAD問題が中韓関係の足かせにならないようにする必要があると述べたとされる。李准教授はTHAADについて、名目上は北朝鮮内のミサイルを探知するためとされているが、ロシアの一部と中国領土の大部分を探知する能力があることから、中国がTHAADを潜在的脅威とみなすことは理解できるとの考えを示した。
しかし韓国側はこれまでのところ、韓国国内でのTHAAD配備について、北朝鮮の核の脅威に対応するものであり、国家の安全保障にかかわることであるので妥協はできないとの姿勢を示している。【9月17日 レコードチャイナ】
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前政権と比べて親米的とされる尹錫悦大統領にしても抗しきれない経済的引力が中国にはあるようです。
経済的関係の深さ、地理的条件などを考えれば、そうした中国の引力の強さもわからなくはありません。