家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

あっち

2006-10-24 08:51:54 | Weblog
義母の亡くなった病院を訪れた。

椅子に腰掛けていたおばあさんに挨拶した。

「ああ。こんにちは。誰だっけ?」と言うので

「鷹端キクヱの娘夫婦です」と答えた。

我々を忘れていたが患者であった義母は覚えていた。

「ああ。キクヱさんは、もうあっちへ行ったら?」と右手の人差し指を上に向けた。

「あっち」というのは勿論「あの世」のことである。

このおばあさんは死ぬことを「あっちに行く」と言っている。

あっちが身近な場所であることが分かった。

私には、まだ遠い先のように思えるが53歳の今からでも「あっち」という気軽な気分でいたいと思う。

死は怖くない。

しかし生きるぞ。まだまだ。